2025年の年頭にあたり、Veeam Softwareの日本法人であるヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長の古舘正清氏は年頭所感として、以下を発表した。

製品全体にAIを統合する技術を含めた大規模な投資を継続

旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。2025年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

2024年は、生成AIの普及によるサイバー攻撃の巧妙化や、バックアップを標的としたランサムウェア攻撃の被害がさらに深刻化したことで、多くの企業でランサムウェアからの復旧対策の検討が加速しました。

2023年に経済産業省が改訂した、サイバー攻撃から自社を守る上で経営者が認識する必要がある事項をまとめた「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」では、“復元への対応を強化すべき”との指針が新たに追加されたものの、未だ対応の遅れが目立つ印象を受ける1年だったと感じます。

Veeamは昨年、インシデントレスポンスサービスで世界トップクラスの実績を持つ米Covewareを買収し、サイバーインシデントの事前・最中・事後対応を行うサービス「Veeam Cyber Secure Program」を提供開始するなど、データ復旧だけに留まらない支援体制を構築しました。

その結果、グローバルでは引き続きデータ保護市場でトップシェアを維持し、市場での地位を確固たるものにしています。日本法人も7年連続でグローバルの成長を大きく上回る伸びを記録し、国内でもいよいよトップシェアを狙える位置にまで成長してまいりました。

昨年は、大手金融、大手製造、社会基盤サービス、複数の中央省庁のお客様をお迎えしました。また業界別に特化したサービスの拡大では、医療業界と製造業界で引き続き大きな成果を残すことができました。

加えて、昨今のサイバー攻撃の被害拡大を考慮し、業界横断で復旧対策のリテラシー向上を支援するべく、企業間でのデータリジエンスノウハウの情報交換を目的としたユーザー会を7月に発足させ、日本を代表する多くの企業に参画いただくことができました。

また、パートナーエコシステムを大幅に強化し、日本マイクロソフト社との協業強化で、大手インテグレーターの日本ビジネスシステムズとともにクラウド時代のデータ保護の新たなスタンダードの確立を目指し、共同でソリューション展開を開始いたしました。

製品・サービス面では、BaaS(Veeam Data Cloud)ビジネスが順調に立ち上がったほか、Covewareの知見を活用したランサムウェア感染時の復旧サービスを提供開始し、大きな反響を得ることができました。

2025年の市場動向としては、引き続きランサムウェア対策におけるバックアップの見直し需要は高く、その中でもランサムウェア感染を想定した復旧サービスのニーズがより増加すると見込んでいます。

また、ITインフラ資産を自社で保有しない企業の動きが進み、バックアップに関わる管理と運用を簡素化できるBackup-as a Service(BaaS)の採用が加速すると予想しています。

さらに、マルチクラウド利用が進展し、クラウド間の移動性(データポータビリティ)が高いデータ保護ソリューションがより求められるようになるでしょう。データポータビリティは、ベンダーロックインを回避する観点、そしてデータレジリエンスを実現するために欠かせない重要な要素の1つです。

現在Veeamでは、製品全体にAIを統合する技術を含めた大規模な投資を行い、市場のニーズに沿った、より最適なデータレジリンスソリューションの開発・提供に努めています。

2025年も引き続き、Veeamが提唱する、事前対策としてのITシステム構築時の原則「ゼロトラスト・データレジリエンス」と、事後対策を見据えたバックアップルール「3-2-1-1-0ルール」の徹底および復旧対策に関わる取り組みを通して、データ保護の新たなスタンダードの確立できるよう邁進していきます。

日本の市場ニーズにきめ細かく応えながら、あらゆるお客様に対して、重要なデータ資産がより一段高いレベルで保護されるよう全力を尽くすとともに、データレジリエンス市場で国内トップシェアを目指してまいります。