旭化成エレクトロニクス(AKM)は、欧州のエレクトロニクスおよびソフトウェアベースのシステム研究センターであるSilicon Austria Labs(SAL)と共同で、炭化ケイ素(SiC)を用いたパワーデバイスを利用した高電圧アプリケーションにおける電子ヒューズ(eFuse)技術の技術検証に成功したことを発表した。

電気自動車(EV)をはじめとする高電圧アプリケーションにおいては、高効率化を進めるため、従来広く用いられてきたシリコン(Si)デバイスから、SiCや窒化ガリウム(GaN)などの次世代半導体材料を用いたパワーデバイスへの切り替えが進んでいる。

こうした次世代パワーデバイスを使用したシステムでは、過電流が発生した際にデバイスを保護し、コストを要するメンテナンスを回避するため、これまで以上に高速でシステムをシャットダウンさせる必要が生じている。こうした理由から、これまで過電流対策に用いられてきた機械式ヒューズに代わって、高速応答性で有意なeFuseが求められているという。

こうした背景からAKMは、SALと共同で技術検証を実施。機械式ヒューズを用いた従来の保護システムの課題を解決するeFuseシステムを開発したとする。

  • AKMとSALが共同技術検証を行ったeFuseシステム

    AKMとSALが共同技術検証を行ったeFuseシステム(出所:旭化成エレクトロニクス)

同システムには、AKMが2月に発表したコアレス電流センサ「CZ39シリーズ」を搭載しているといい、応答時間が100nsと非常に短く高精度であることを特徴とする同製品をeFuseに用いることで、過電流を即座に検出しシステムの高速シャットダウンを実現するという。

同社によると、今回開発されたeFuseソリューションは、オンボードチャージャをはじめとするSiCやGaNベースのパワーデバイスを搭載した次世代高電圧EVシステムで求められる、過電流および短絡保護機能を提供するとのこと。さらに、eFuseを電流センシングにも活用することで、システムに流れる電流も効率的に調整できるため、システム全体の部品点数削減に貢献できるとしている。

なお、今回AKMとSALが行った共同研究の成果の詳細については、6月に独・ニュルンベルクにて開催予定の「PCIM Europe 2024」にてAKMより発表されるという。