TSMCの3D ICチップに位置づけられる先進パッケージング技術「CoWoS(Chip on Wafer on Substrate)」の生産能力不足を懸念する米国ならびに日本政府が、TSMCに対して米国と日本に先進パッケージング拠点の設立を要請していると台湾の一部メディアが7月31日付けで報じている。

それらの報道によると、こうした要請を踏まえ、TSMCも前向きに米国ならびに日本への後工程工場の進出を検討しているとの情報が、台湾にてTSMCと協力している製造装置サプライチェーンに広がっているという。ただし、TSMCはこの件について公式なコメントは出していない。

TSMCは日本にてJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)として熊本に第1工場を建設中で、同地に第2工場も建設する見通しだが、いずれも前工程(ウェハプロセス)工場である。後工程については、つくばに「3DIC研究開発センター」が開設されたが、あくまでも研究所という位置づけで、現状は後工程は海外(おそらく台湾)で行うことが予想される。米国もだが、日本にとっても安全保障上、自国内にTSMCの後工程工場も誘致することで、前工程から後工程まで完結させたいという思惑のようである。