ロームは8月3日、100V耐圧のMOSFET2チップを1パッケージに同梱したデュアルMOSFETを開発。「HP8KEx/HT8KEx(Nch+Nch)シリーズ」ならびに「HP8MEx(Nch+Pch)シリーズ」として5機種を発売することを発表した。

  • デュアルMOSFET「HP8KEx/HT8KExシリーズ」の外観

    デュアルMOSFET「HP8KEx/HT8KExシリーズ」の外観

近年、通信基地局や産業機器などでは、電流値を下げることによる高効率化を目的として、従来の12V/24V系統から48V系統に電源の高圧化が進んでおり、それらの機器を冷却するためのファンモーターにおいても、48V系統の電源が使用されるようになってきており、スイッチング用途のMOSFETにも、電圧変動を考慮した100V耐圧が求められるようになってきているという。ただし、従来手法では高耐圧化を図ると、背反関係にあるオン抵抗も高くなり効率が悪化するため、高耐圧化と低オン抵抗化の両立が課題となっていた。

そこで同社では、自社の最新プロセスならびに裏面放熱パッケージを採用することで、業界トップクラスの低オン抵抗(Ron)となるNch+Nchの場合、HSOP8パッケージでで19.6mΩ、HSMT8パッケージで57.0mΩを実現。一般的にファンモーターでは、複数個の駆動用MOSFETが用いられるが、省スペース化の観点から近年では、2チップを1パッケージ化したデュアルMOSFETの採用が進んでいるが、そうした一般のデュアルMOSFETと比べた場合、オン抵抗は最大56%低減できるという。また、デュアルMOSFETによる面積削減効果も得られるため、1チップ内蔵のシングルMOSFET(TO-252)を2個置く場合に比べてHSOP8の場合で、77%の面積削減が可能だともしている。

なお、新製品は、すでに7月より月産100万個体制で量産を開始しており、サンプル価格は550円(税別)。インターネット販売も開始しており、チップワンストップやコアスタッフオンラインなどから購入することが可能となっている。