Sansan株式会社は5月29日、同社が提供する「Sansan Labs」で、GPTを使用した新機能を追加すると発表した。具体的には、GPTの文章生成能力と要約精度の高さを生かし、「セミナー集客メールメーカー」と「5分で読める有価証券報告書」の2つの機能を実装する。

  • Sansan Labsのバナー

Sansan Labsでは、未来の働き方を体験してもらうための実験的な機能を提供しているといい、営業DXサービスである「Sansan」のユーザーに無料で公開している。

  • セミナー集客メールメーカーの画面イメージ

新機能のうちセミナー集客メールメーカーは、セミナーや展示会などのイベント集客のために行う案内メールの送付を効率化するため、AI(人工知能)が自動でメール文面を生成する機能であり、既に公開済み。

新規顧客の開拓を担う営業部門やマーケティング部門では、見込み顧客の獲得や案件創出を目的としたセミナーや展示会などの施策を行っているが、運用工数が掛かることが担当者の課題になっている。

同機能の利用により案内メール文の作成を効率化し工数を削減することで、本来注力すべきセミナーの企画立案や資料作成などに時間を割くことができ、業務生産性が向上するとしている。

また同社は、参加募集ページの作成からメール配信、申込者の管理、アンケートの送付まで、セミナー運営に必要な機能がそろった「スマートセミナー」を実装しているといい、どの部門でもクオリティの高いセミナーを容易に開催可能という。これとセミナー集客メールメーカーを併用することで、さらなるセミナー運用工数の削減を実現できるとのこと。

  • 5分で読める有価証券報告書の画面イメージ

もう一方の5分で読める有価証券報告書は6月1日に公開予定であり、企業が発行する有価証券報告書から、経営・組織、市場環境、製品・サービス、ガバナンスの4つのトピックスの課題や現状を抽出し、要約して提示するもの。

また、その情報の根拠となる原文や元となる報告書のリンクの表示が可能という。GPTはトピックスに沿った重要な部分の抜粋ができることから、同機能を開発したとしている。

新規顧客へのアプローチや既存顧客との関係性維持には、業績ハイライトや中長期経営計画の進捗、その企業を取り巻く外部環境などを記載している有価証券報告書を読み解くことが有効だという。しかし、営業パーソンが担当企業の報告書の内容を全てインプットするには膨大な時間を要するとのこと。

同機能の利用により、顧客理解の時間を短縮でき、営業生産性の向上やより視座の高い営業戦略の策定を後押しするとしている。