NXP Semiconductorsは、2023年第1四半期(1~3月期)の売上高が前年同期比0.5%減、前四半期比6%減の31億2000万ドルだったと発表した。

主力の車載半導体分野の売り上げは、前年同期比17%増の18億2800万ドルと好調だったが、産業およびIoT向けが同26%減の5億ドル、モバイル向けが同35%減の2億6000万ドルと不調で、車載分野の好調を相殺する形となった(通信インフラ向けは、同7%増の5億2900万ドルの増収)。

NXPのKurt Sievers社長 兼 最高経営責任者(CEO)は、「第1四半期の売上高は、注力するエンド・マーケットが予想以上に好調であったことを反映して、当初の業績見通しの最高値を上回る結果となった。第2四半期にはやや好転する予測をしており、コンシューマ分野の景気後退期をうまく乗り切れているという慎重かつ楽観的な見方を取っている。一方で車載ならびに産業分野は好調が持続すると見ている」と述べている。

なお、同社は2023年第2四半期(4~6月期)の売上高見通しを33~31億ドルと、第1四半期比でやや好転するとの予測を示している。

中国NIOがプレミアムEVにNXPのレーダー製品を採用

また同社は、中国のプレミアムEVメーカーであるNIO(上海蔚来汽車)との間で、NXPの最先端自動車レーダー技術を採用する契約を締結したことを発表している。

NXPの最新の「4Dイメージングレーダー」は、レーダープロセッサとトランシーバーチップセットを組み合わせることにより、高性能RFテクノロジーによる効率的かつ高度なレーダー処理を実現でき、レベル2+以上の自動運転サービスを可能するとしている。これにより、車両の前方レーダーの性能が向上することとなり、高速道路や複雑な都市部で、最大300m先にある他の車両や交通弱者などを高速検出・分類処理することで、車両の安全性向上とエンドユーザーへの運転快適性の向上を提供することが可能になるとしている。

  • NIOのプレミアムEVのイメージ

    NIOのプレミアムEVのイメージ (出所:NXP/NIO)