NTTデータは2月13日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置した実証実験を積水化学工業と共同で2023年4月から開始すると発表した。建物の外壁面に設置した実証実験としては日本初の事例としている。

再生可能エネルギーの導入において、従来型の太陽電池は「都心部では屋上や敷地内に設置場所の確保が難しい」「設置荷重が大きく既存建物の設計荷重を超過する」などの課題がある。そこで、同社は軽量で設置場所への制約が少ない次世代型発電池であるペロブスカイト太陽電池を採用し、外壁面への設置手法や発電効率について検証する。

ペロブスカイト太陽電池は、積水化学工業が開発したフィルム型の太陽電池で、軽量で柔軟性が高い。このため、都心の既存建物への設置も、従来型と比べて容易であり、都心部での再エネ地産地消の促進が期待されるという。

  • ペロブスカイト太陽電池　写真：積水化学工業

実証では、まず外壁への設置時の課題抽出を目的として、積水化学工業の開発研究所外壁に小面積を設置し風圧力含めた構造安全性を確保した設置方法を確認する。

2024年4月ごろからNTT品川TWINSデータ棟の外壁に設置し、都心部での発電効率も含めて、実用性を検証する。安全性や発電効率を高める設置方法を実証することで、全国にある同社16棟のデータセンターおよびオフィスへの導入拡大、2030年度の自社データセンターのカーボンニュートラル化を目指す。