半導体製造大手のKLAが発表した2023年会計年度第2四半期(10-12月期)の決算概要によると、売上高は前年同期比27%増、前四半期比10%増の29億8388万ドルで、事前ガイダンスを上回る結果となり、純利益も前年同期比36.5%増の9億7879万ドルと好調だった。
部門別に業績を見ると、ウェハ検査システム部門の売上高は、前期比、前年同期比ともに14%増で、総売上高の42%を占めている。計測およびレチクル検査を含むパターニングシステム部門は、前年同期比69%増、前四半期比17%増で、総売上高の29%を占めた。EUV/DUV向けに高度なレチクル検査製品の採用が進んだことが背景にあり、同社としても次世代デバイスでのEUV採用拡大につながることから注力しているという。
特殊半導体プロセスシステム部門は、前年同期比39%増、前四半期比27%増となり、総売上高の5%を占めた。 PCB、ディスプレイ、およびコンポーネント検査システム部門は、前年同期比11%減、前四半期比19%減となり、総売上高の4%を占めている。そしてサービス部門は、前年同期比14%増も、前四半期比では米国の対中輸出規制の影響から2%減となったという。
また、地域・国別にみると、台湾26%、中国23%、韓国20%、北米12%、日本9%、欧州6%、その他のアジア4%となり、中国の売上高比率は米国の3大半導体製造装置メーカー中、もっとも低い割合となった。
2023年はマイナス成長の見通し
KLAでは、 2023年(暦年)について、マイナス成長の年になるとの見方を示しており、2023会計年度第3四半期(2023年1-3月)のガイダンスとして、売上高を23億5000万ドル±1億5000万ドルと予想している。
そんな2023年(暦年)について、同社は3つの優先事項を示している。
1. 顧客へのサポート充実によるシェア向上
最優先事項は顧客のサポートであり、製品の提供とサポートだけでなく、製品ロードマップの新しいイノベーション推進に向けた研究開発への継続的な投資を行っていく。歴史的に見て、景気後退期はKLAが市場シェアを獲得した時期であり、現在の不況環境でも市場シェア向上に向けた取り組みを進める。
2. 支出水準の安定化
KLAの戦略目標は、持続的なテクノロジーリーダーシップ、優れた財務実績、強力なフリー キャッシュフローの生成、および株主への一貫したキャピタルリターンの基盤の形成であり、変化するビジネス環境に対し、支出を統合し、投資レベルを緩和することが重要だが、技術と製品開発のロードマップをサポートするために、研究開発への投資を維持し、研究開発投資を増加させる可能性があるとする。
3. 従業員の能力開発
3つ目の優先事項は、従業員の能力開発としている。同社はこの2年で雇用を急拡大させ、総従業員数は約1万5000人まで増加したという。今後は、従業員のトレーニングと能力開発に注力することで、生産性の向上と従業員のフットプリント最適化に焦点を当てるとしている。