1日はメールで仕事が始まり、メールで仕事が終わるといった具合に、メールがビジネスタイムに占める時間はかなり多い。しかし、人によっては、必ずしも生産性につながる形でメールを利用してない可能性がある(要は、キーボードを打って仕事に打ち込んでいるふりをして遊んでいる)。

一方、従業員一人一人のメールの利用状況を把握している企業も少ないのではないだろうか。いわば、メールは企業においてブラックボックスの状態とも言える。

そこで、望ましくないビジネスメールの使われ方を明らかにして、それを解消すれば、企業全体の生産性を上げられるかもしれない。Email Analyticsがブログ「9 Common Ways Employees Cost Time and Money With Email (And How to Fix It)」をもとに、時間とコストを無駄にしているビジネスメールの使い方を整理してみよう。

返信が遅い

LINEの返信は早いが、メールの返信は遅いなんてことはないだろうか。受信したメールへの返信が遅い場合、その人はプロジェクトチームの人に迷惑をかけ、自身も損をしている可能性があるという。

まず、メールのスレッドでプロジェクトが進んでいる場合、迅速に返信を行わないと、プロジェクトの妨げになるかもしれない。

また、営業担当者であれば、リードへの対応が速ければ早いほどコンバージョン率が上がる。売上の35%~50%は、最初に応答したベンダーに上がり、1時間以内に応答するとリード コンバージョン率が700%上昇するそうだ。

この問題を解消するには、各従業員がメールに対してどの程度の時間で返答しているかを把握する必要がある。というのも、「最初の応答」は多くの場合、ビジネスシーンで受信者の第一印象を示しているからだという。

不要なメールを送信している

当たり前ではあるが、メールに特定の目的がない場合や冗長な情報を提供する場合は、複数の人の時間を無駄にする可能性がある。メールを作成して送信するには時間がかかる。さらに、受信者が電子メールを読み、分類し、返信するのに時間がかかる。

Email Analyticsは必要なメールであるかどうかを判断する条件として、「新しい情報があるか」「ビジネスとして重要であるか」「他の人の行動に変更を促すかどうか」の3点を挙げている。

受信者が多すぎるメールを送信する

cc、bccにやたらと多くの人が入っているメールを受け取ったことはないだろうか。自分がbccに指定されているメールを読まない人もいるかもしれないが、メールを受信したら、目を通すのが礼儀だろう。

つまり、多くの人に送れば送るほど、その人たちがメールに費やす時間を奪うことになる。メールにかかる合計時間 (つまり、お金) は、それを読む人の数で乗算されることを覚えておく必要があるという。

加えて、多くの受信者に送ると、スレッドが長くなり複雑になることを意味する。複数の人が議論する必要がある場合は、メールで長々とやり取りするよりも、会議を開催したほうが効率がよいといえる。

わかりにくいメールを書く

ビジネスメールには、件名、冒頭のあいさつ、分量など、一定のルールがある。例えば、件名はメールの目的を簡潔に伝える必要があり、また、分量もできるだけ短くしたほうが良い。このルールを守ることは受信者によい印象を与える目的とともに、簡潔な内容を伝えることにもつながる。

ビジネスメールのルールを守らずにメールが描かれた場合、受信者全員がメールの内容を理解するのに多くの時間を費やすことになるという。

わかりやすいメールを書くコツとして、「言いたいことを簡潔に書く」「正しい文法を使う」「目的を明確にする」が挙げられている。「誰が、何を行うべきか」を明確にしないと、受信者はメールを受けてどのような行動を取るべきかがわからない。

特定の連絡先からのメールが多すぎる

必ずしも従業員に起因する問題ではないが、顧客やパートナーなど、特定の社外から受信するメールが多い場合、必要以上に時間を費やす可能性があるという。

ひっきりなしに、質問を寄せ、フォローアップを要求するクライアントを抱えている従業員は他の仕事に集中できなくなってしまうことになる。

特定の連絡先とあまりにも多くの電子メールを送受しているように見える場合、Email Analyticsは会社として介入すべきとしている。