東芝は12月26日、再生可能エネルギーアグリゲーション向けに、同社が開発した電力市場取引における事業者の戦略的取引の最適化を支援する「電力市場取引戦略AI」の拡張機能として、時間前市場において最適な入札のタイミングと入札量を算出する「時間前市場取引AI」を新たに開発したことを発表した。

  • スポット市場と時間前市場に対応した電力市場取引戦略AI

同AIは、当日の天候や稼働プラントの状況に併せて電力の需給バランスを調整する時間前市場取引において、入札実行時点の最新の発電量予測と価格予測、過去の市場取引結果に基づいて、最適な入札のタイミングと入札量を算出するもの。

入札のタイミングが適切でないことで電力の需要量と供給量の差分が発生する「インバランスリスク」と、一度に大量の入札が発生することで価格下落を引き起こし収益が悪化する「マーケットリスク」を考慮し、取引収益が最大となるように最適化できることが特徴。

  • スポット市場と時間前市場に対応した電力市場取引戦略AI

同AIにより、従来は困難だった取引当日の発電量予測と価格予測に基づいた時間前市場取引の意思決定支援が可能になる。加えて、変動の大きい再生可能エネルギーの安定的な供給を可能とし、再生可能エネルギーの主力電源化の促進およびカーボンニュートラル社会の実現に貢献するという。

なお、同AIは、東芝エネルギーシステムズおよび東芝ネクストクラフトベルケが参加する経済産業省の再エネアグリゲーション実証事業での実証実験にて採用され、実際の発電設備を用いた活用を開始している。