日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は12月16日、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関する調査報告書「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2022」を公開した。同調査は、2021~2022年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員の計2,300名を対象に2022年6月に実施されたもの。

「ジョブ型」に関する新入社員のホンネとしては、「ジョブ型への移行は歓迎」が75%以上で、「自分が希望する部署や職種で働けるかどうかは、入社の意向に影響した」は60%以上という結果になっているという。

  • ジョブ型採用に関する新入社員のホンネ 引用:日本能率協会マネジメントセンター

配属1~3ヵ月後の課題・不安としては「生活リズムがつかめない」が21年入社と比較して順位が大きく上昇し、10位から1位に。また、コロナ禍前の2019年と比較すると、仕事内容や業務手順が把握できていないため、業務を通じたキャリア形成や課題認識ができる状態にないことも判明している。具体的には「仕事が自分にあっているか」「担当する業務の知識・手順がわからない」「何がわからないのかわからない」などの順位が上昇している。 

  • 配属1~3ヵ月後の課題・不安 引用:日本能率協会マネジメントセンター

配属から6~12カ月の時期においては、コロナ禍前の2019年と比較すると「わからないことを聞けない」など、関係性構築やキャリア形成に悩む姿が見受けられる結果になっている。同社はこの結果に対して、働く場所の自由度が増したことにより、新入社員が成長していく過程において重要な「学び」や「指導育成」の機会損失が生じて、自社や組織への適応がうまくいっていないのではないかとの見方を示している。

  • 配属6~12ヵ月後の課題・不安 引用:日本能率協会マネジメントセンター

Z世代の働く実態としては、「仕事がしやすいのはテレワーク」という回答が年々上昇し過半数を超えた一方で、「コロナ禍以降はできる限り出社したい」「在宅勤務が増え、直接的なコミュニケーションが減ると困る」「報連相で有効なのは対面でのコミュニケーション」と回答した人が共に60%以上と、対面でのコミュニケーションの機会を求めていることが判明した。

  • Z世代の働く実態 引用:日本能率協会マネジメントセンター

Z世代の成長意欲としては、新入社員の70%が「失敗から学ぶことは多いので、恐れずに取り組むことが大切」と回答している一方で、自身に仕事を任された際は「失敗したくないので、責任ある大きな仕事は任されたくない」と半数以上が思っていることが分かったという。

また自身の成長については「成長のために挑戦するよりも、無理のない範囲で業務に取り組みたい」と半数以上が回答しており、挑戦よりも失敗回避の傾向が見られ、この結果はZ世代の入社が本格化し始めた2020年以降、増加傾向にある。