国策次世代半導体メーカーであるRapidus(ラピダス)は12月6日、経済産業省(経産省)において西村康稔経済産業大臣およびベルギー王国フランダース地方政府首相立ち合いの元、ベルギーの先端半導体技術研究機関imecと協力覚書(Memorandum of Cooperation:MOC)に調印した。

  • MOC署名式の様子

    MOC署名式の様子 (出所:経産省Webサイト)

この合意に基づき、Rapidusはimecと先端半導体技術に関する長期的かつ持続可能な協力体制を構築することとなる。MOCは、経済産業省とフランダース政府によって支持・承認されたが、日本とフランダースの両政府は日本とフランダースの半導体産業の相互協力を強化する点でも意見が一致したという。

MOCに署名したのは西村経産大臣、ベルギー王国フランダース政府の首相兼外交政策、文化、デジタル化担当大臣のJan Jambon(ヤン•ヤンボン)氏、Rapidus代表取締役社長の小池敦義氏、imecの社長 兼 CEOであるLuc Van den hove氏の4名。

Rapidusがimecの先端ナノエレクトロニクスプログラムに参画

Rapidusは、5年後の2027年をめどに2nmプロセス技術を用いた半導体チップを日本で生産する計画としているが、imecは、最先端半導体製造技術の研究開発に関してRapidusを技術サポートするという。具体的には、Rapidusは、研究受託のビジネスモデルで先端半導体やデジタル技術の研究活動を推進するimecに研究委託費を支払って先端ナノエレクトロニクスプログラムのコアパートナー(中心的な会員)になり、両社が戦略的パートナーシップを確立するという。すでにこのプログラムには、TSMC、Intel、Samsung Electronics、SK hynix、SMIC、ソニー、キオクシアなど、世界中の多くの主要半導体企業が参加して、各社とも研究委託費を支払った上に多数の研究者をimecに駐在させている。

年内発足予定のLSTCもimecと協業を検討か?

国立大学および国立研究所で構成される日本版NSTC(設立準備中の米国の国立半導体研究機関、米CHIPS法の研究補助金の受け皿)ともいえる最先端半導体技術センター(LSTC)が間もなく設立されるが、MOCによれば、imecはLSTCが設立され次第、同センターとも 技術協力を検討するともしている。

MOCでは、すべての関係者(経産省、フランダース政府、Rapidus、imec)は、世界規模の協業の重要性、および地政学的な半導体エコシステムの強化、とりわけ日本のエコシステムの強化に同意しているという。

2nmの量産実現のためには重要となるimecとの技術連携

西村経産大臣は、「私たちは、Rapidusとimec間の協力覚書締結を歓迎する。このMOCにより、Rapidusが近く設立予定のLSTCとも協業して、2020年代後半に次世代半導体製造拠点となることを期待している。さらには、同志国・地域で半導体サプライチェーンが強化されることも期待する」と述べている。また、Rapidusの小池社長は、「Rapidusは、先進技術やシステムソリューションや先端300mmラインで名声を得ているimecとMOCを結べたことをうれしく思う。Rapidusにとって国際的な連携は、2nmプロセスでの量産を日本で行うという私たちの目標を実現するために必須であり、imecこそ不可欠なパートナーである。日本が再び半導体分野で活躍できる日が近づいていると思う」と述べている。

さらにimecのLuc Van den hove社長は、「このMOCにより、imecは日本を拠点とする企業との協力をさらに強化できることを嬉しく思う。Rapidusが私たちのコアプログラムに参加し、半導体デバイス集積、先端リソグラフィのような重要なプロセス技術、さらにはシステム指向のプロジェクトなどのプロジェクトに参画することを歓迎する。imecは長年にわたる専門知識に基づいて構築された高度な半導体チップ技術を持って、バリューチェーン全体をカバーするパートナーのグローバルエコシステムを構築しており、これをもとにRapidusが最新の2nmプロセス技術で量産したい意向に合うように同社の大量生産を支援するつもりだ」と述べているほか、フランダースのJan Jambon首相は、「ベルギーのフランダース地方は、5つの大学とナノテクの研究機関であるimecを中心に、ナノテクノロジー分野の専門的なノウハウを誇っている。私たちの地域には、マイクロとナノテクノロジーの革新と応用のビルディングブロックが完備されている。フランダース政府はimecと日本の半導体企業の間で本日調印された野心的なコラボレーションを全面的に支持する」と述べている。