日本電気通信システム(NEC通信システム)は11月9日、竹中工務店とアルモ、およびMetComの協力のもと、3次元屋内外位置測位(MBS)の技術やデジタルモデリング技術であるBIMを活用し、建築現場における作業最適化・効率化に向けた技術実証を、同年10月に竹中工務店によるビルディング新築現場において実施したことを発表した。

  • スマートフォン利用による自己位置推定実証の様子

    スマートフォン利用による自己位置推定実証の様子

今回の実証では、BIMに含まれるビルディングのデジタルモデル情報を、静的な屋内3次元デジタルマップとして実際の建物の位置(緯度、経度、高度)に合わせて変換・合成し、次に実際に「Pinnacle」によって得られるリアルタイムの高さ情報を元にして自己位置を推定表示するスマートフォンアプリケーションを試作し技術的な確認を行った。

これにより、実際の作業現場において建物側に対してインフラレスでの位置測位が十分な精度で実施可能であることが確認できたという。また、同時に、独自開発中の補正技術のパラメータを検証するとともにデータ通信環境が整っていない状態の対策など、システム化に向けた課題抽出を行ったということだ。

  • 別の既存ビルでの画面表示イメージ

    別の既存ビルでの画面表示イメージ

この実証ではスマートフォンを利用したが、今後、気圧測定と通信の機能に絞った小型ハードウェアをモノに貼付してクラウド上から集中管理するシステムの開発を予定しているという。これにより人のみならずモノの継続的な位置把握も可能になるという。

これらの時系列情報やその他の情報と統合することによって実際に状態についても把握が可能となり、作業者の安全性の担保、作業最適化による生産性向上などへの適用が期待できるとしている。