インターネットイニシアティブ(IIJ)は10月26日、海外拠点のセキュリティ運用業務の効率化・自動化を行う月額のクラウドサービス「IIJ Safous SOARaaS(セーファス ソアース)」の提供を開始すると発表した。

新サービスは、パロアルトネットワークのセキュリティ運用自動化ツールである「Cortex XSOAR」を活用したマネージド型のSOARサービスだ。SOARとは、Security Orchestration Automation and Responseの略で、各種セキュリティ製品の統合制御、インシデント対応の自動化、ケース管理や分析・レポートなどのセキュリティ運用にかかわる業務の効率化・自動化を実現する技術やソリューションを指す。

新サービスのセキュリティログの監視対象については、パロアルトネットワークの次世代ファイアウォール、「Prisma Access(SASEプラットフォーム)」、「Cortex XDR(エンドポイントセキュリティ)」、IIJのマネージド型ゼロトラストネットワークアクセスサービス「Safous(セーファス)」を標準サポートし、24時間365日でインシデントの自動監視を行う。監視対象製品は順次拡大する方針だ。

また、インシデント発生時には、必要に応じてセキュリティアナリストがアラートを分析し、重要度に応じ、メールや電話で情報連携を行う。インシデントの一次対応をアウトソースすることで、運用負荷の軽減を図れるとしている。加えて、セキュリティプロダクトの設置・変更、サービス基盤の運用、チューニング、バージョンアップなど統合運用サービスをマネージド型で提供することにより、海外拠点を通して、グローバルセキュリティの統制を図ることができるとのこと。

新サービスの提供にあたって、同社はインドネシアにセキュリティセンターを設け、同拠点を中心にIIJグループのセキュリティアナリストが、日本語と英語で24時間365日対応を行う。今後、IIJグループのアジア現地法人とも連携し、23年度を目途に中国語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語などの各国語対応を進める考えだ。

なお、新サービスの参考価格は、ユーザ数300名、対象1プロダクト(ファイアウォール、エンドポイント等の監視対象システム)で、月額17万円(税別)から、ユーザ数3000名、対象2プロダクトで、月額144万円(同)からとなっている。

昨今、企業ネットワークにおけるセキュリティインシデントは急激に増加している。グローバルに事業を展開している企業のサプライチェーンを狙った攻撃も多く見られ、工場の稼働停止といった事業継続に影響を及ぼす深刻な被害も発生している。企業の規模を問わず、より一層、厳格なセキュリティ対策の実施が求められている。