TSMCが速報値として発表した2022年9月の売上高は前月比4.5%減も前年同月比36.4%増の2082億4800万NTドルとなり、高い水準を維持した模様である。
2022年8月に過去最高を記録したこともあり、2022年第3四半期(7-9月期)の売上高も前年同期比47.6%増の6131億4000万NTドルとなる見込みで、四半期別でも過去最高を更新した模様である。データセンターや車載半導体の安定した需要が7/5nmプロセスを中心に手堅く推移したほか、iPhone 14シリーズ向けプロセッサや為替差益なども押し上げ要因になったとみられている。
一方、近年、半導体業界トップの売り上げを誇ってきたSamsung Electronicsは10月7日、同第3四半期の半導体事業を含む会社全体の連結売り上げが76兆ウォン、営業利益10兆8000億ウォンとの暫定速報値を発表している。売上高は前年同期比2.7%増となったものの、営業利益は同31.7%減となっている。半導体部門の売上高は10月末に発表される予定だが、韓国証券界の見立てでは23兆4000億~25兆5000億ウォンのレンジとの予測が大半で、同四半期のTSMCの売上高(ウォン換算で約27兆5000億ウォン程度)を下回るとみられている。また、Samsungと売り上げトップ争いを繰り広げてきたIntelも同四半期業績を10月末に発表する予定だが、TSMCやSamsungよりも売上高は低いことは確実視されており、初めてTSMCが四半期別で半導体売上高世界一になる見込みである。
台湾ファウンドリ大手のUMCも第3四半期は好調
なお、台湾ファウンドリ大手のUMCの9月の連結売上高は、過去最高を記録した8月からは前月比0.5%減となったものの、前年同月比34.5%増の252億1883万NTドルを記録。第3四半期全体でも前年同期比34.9%増の753億9159万NTドルを記録し、四半期ベースでの過去最高を更新した模様である。
現在、半導体市場全体では、メモリ価格の下落や消費者向け半導体需要の低調などが話題になっているが、台湾ファウンドリ業界の好業績を9月まで持続しており、今後の動向が注目される。