Oxford Instrumentsは、エピキタキシャル向けSiC基板前処理工程の非接触プラズマエッチング法を開発し、2022年9月11日から16日にダボス(スイス)で開催された国際会議ICSCRM/ECSCRMで発表した。
同技術は従来のCMPと比べてクリーンでドライ、低コスト、歩留まり向上、かつ持続可能な新しい選択肢を提供できるという。すでに、SiCファウンドリの英Clas-SiC Wafer Fabと共同で1200V MOSFETデバイスのホールウェハ認定を実施し、その結果、新ソリューションとSiCパワー半導体デバイスへの影響における信頼性を確認できたという。
Clas-SiC Wafer Fabのテクノロジー・カスタマーリレーションズ・マネージャーのDavid Clark氏は「Oxford Instrumentsとの共同開発プロジェクトを経て、1200V MOSFETのパラメトリックと歩留まりが従来のCMPウェハと酷似している結論に至った。我々は基板の供給量制限で複数のSiCウェハサプライチェーンに依存する環境下にあり、材料の入荷変動はデバイス製造業界全体の課題になっている。調達した基板を自社で処理し、2種のデバイス製造工程に組み込み、同等の成果を得ることができた」と述べている。
また、Oxford Instrumentsのストラテジック・ビジネス・ディベロップメント・ディレクターであるKlaas Wisniewski氏は、「この度の検証結果は費用対効果の高さを証明した。持続可能なSiC基板製作技術を開発する我々の目標達成に向けて、重要なマイルストーンになった。我々のプラズマ前処理技術のポテンシャルは高く、従来技術と比較しても遜色なく、基板生産量を向上させる。今後、高成長市場であるSiC基板の需要増加にも対応できる可能性を持っている」と述べている。