半導体市場分析およびコンサルティング企業の米Semiconductor Intelligence(SI)が、2021年の車載半導体事業に関する企業売上高ランキング・トップ10を発表した。
それによるとトップは、前年同様にInfineon Technologiesで、売上高は57億2500万ドルほど。売り上げ全体の44%を占めるという。2位は54億9300万ドルでNXP Semiconductors。全社売り上げの50%を車載向けが占めるという。そして3位は日本のルネサス エレクトロニクスの42億1000万ドルで、全社の46%を占めるとする。このほか、日本勢としては、トップ10として10位にロームが入っており、トップ10社の売上高合計は車載半導体市場全体の46%ほど、約690億ドル(WSTSの区分による)となっている。
車載半導体の主流は90nm以上のレガシープロセス
自動車は比較的長い製品寿命のため、そこで用いられる車載アプリケーション向け半導体も、必ずしも先端プロセスが用いられているわけではない。米McKinseyの調査では、2021年に製造された車載半導体ウェハの72%が90nm以上のレガシープロセスによるものであったと推定されるとしている。車載以外も含む全アプリケーションでの90nm以上の割合は52%であり、車載半導体はほかのアプリケーションと比べても古いプロセスが多く、一方で14nm以下の先端プロセスの割合は全体では21%ながら、車載向けに限れば6%と限定的となっているという。
半導体メーカーの多くは、設備投資をより先端プロセスに集中させて行っており、レガシープロセスの生産能力の拡大はあまり行われていない。例えばTSMCは、全売上高の65%を先端プロセスから得ており、90nm以上のレガシープロセスからの売上高は全体の12%ほどに留まっている。また、同社の売り上げをアプリケーション別に見ると、スマートフォンが38%ほどあるのに対し、車載分野は5%に留まっており、この割合が増加する気配はない。こうした背景から、車載半導体の不足が解消されるにはもうしばらく時間がかかりそうであるとSemiconductor Intelligence代表のBill Jewell氏は指摘している。