鹿島建設は9月13日、コンクリート打設後の表面状態の検査および品質評価をAIで支援するアプリを開発したことを発表した。

  • アプリで打設後のコンクリート表層を撮影している様子(同社資料より)

    アプリで打設後のコンクリート表層を撮影している様子(同社資料より)

同アプリは、コンクリート打設後の表層品質向上ために実施している同社のPDCAサイクルにおいて品質の評価・分析を行うプロセスをAIで効率化するためのもの。同社ではコンクリートの品質を見える化するシステム「コンクリート・アイ」を開発、コンクリートの品質向上のため、材料、配合、施工法の計画から実行、改善、評価までのPDCAサイクル回し品質向上に生かしている。

  • 「コンクリート・アイ」の概念図(同社資料より)

    「コンクリート・アイ」の概念図(同社資料より)

利用はタブレットでコンクリート表層を撮影し、評価基準である「打重ね線」「表面の色つや」「表面気泡」「沈みひび割れ」「ノロ漏れ」「砂すじ」の6つの評価項目を1点から4点まで0.5点刻みで利用者が入力する。入力の際は、グレード分けされたサンプル画像が表示される。次にAIが6項目の判定を0.1点刻みで行い出力、利用者の入力した値と比較することで個人差を解消した一定精度の評価値を取得できる。

  • 「表層品質評価アプリ」での判定と出力帳票の例(同社資料より)

    「表層品質評価アプリ」での判定と出力帳票の例(同社資料より)

評価結果はクラウド上にアップロードされ、コンクリート品質のリアルタイム確認や帳票として利用できる他、「コンクリート・アイ」と自動連携し今後の品質向上に生かされる。アプリは、既に同社の水処理施設の建設現場で利用されその効果は実証されている。同社では、今後更に同技術を発展させAIがコンクリート打設の改善や工夫などの提案を行うシステムの構築を目指し開発を続けていく。