MediaTekは、米Pardue大学と提携して米国のインディアナ州にある同大学構内に新たに半導体設計センターを設立すると発表した。

この発表には米商務省次官のDon Graves氏やインディアナ州知事のEric J. Holcomb氏、インディアナ州商務省長官のBradley B. Chambers氏も立ち会ったという。Don Graves氏は、先般、ASMLを訪問して同社の米国工場投資を引きだした米商務省のNo.2で、今回のMediaTekの誘致にも関与したものとみられる。

また、Eric J. Holcomb氏は、インディアナ州として初めての半導体設計センターとなるとし、同州の経済開発委員会Indiana Economic Development Commission(IEDC)が140万ドルの資金援助をすることを明らかにしたものの、MediaTekが負担する投資額は明らかにしなかったという。また、連邦政府からの補助金についても、未だに米国連邦議会で法案が審議中で、可決の見通しが立っていないため未定である。米商務省は、連邦議会の可決を待たずに、すでに海外半導体企業(設計、製造)のみならず、装置・材料企業の米国本土への誘致を積極的に進めていることが最近の動きからはうかがえる。

MediaTekのシニアコーポレートバイスプレジデント兼MediaTek USA社長であるKou-Hung Lawrence Loh氏は、「インディアナ州に設計センターを設置するということは、世界最高のエンジニアリング人材にアクセスできることを意味する」との声明を発表しており、Purude大学のみならず、インディアナ州やその近隣州のトップスクールからエンジニアを募集し、従来のカリフォルニア州のデザインセンターへの勤務ではなく、新型コロナの感染拡大以降、高まった故郷や家族の近くでの就職ニーズに対応するために、今回のセンター設立に至ったとしている。ちなみに、この新たな半導体設計センターは米国の著名な12の大学の工学部から車で4時間以内の距離にあり、優秀な人材の獲得に有利に働くとLoh氏は説明している。