スマホを中心とした消費者市場の冷え込みの影響を受けるNAND

TrendForceによると、2022初旬の材料汚染問題で稼働率が下がったキオクシアとWestern Digitalからの出荷数量が増加するにつれて、増加するビット需要を満たすのに十分な生産能力が確保されたことが見えてきたという。ただし、ノートPCや家電に対する需要減退は、中国のスマホブランドの在庫調整と相まって供給過剰につながることから、第3四半期のNAND価格は下落に影響を及ぼす見込みで、NAND全体として平均して同3~8%の下落を予想している。

  • 2022年第2四半期(推定)および第3四半期(予測)のアプリケーション別NAND価格の前四半期比増減率

    2022年第2四半期(推定)および第3四半期(予測)のアプリケーション別NAND価格の前四半期比増減率 (出所:TrendForce、2022年6月)

アプリ別ではクライアントSSDは、コンシューマーノートPCとChromebookの減速から受注量は前年比で減少する可能性がある。そのため、価格も同約3〜8%下落すると予想される。

エンタープライズSSDは、ハイパースケールデータセンターからの発注は引き続き堅調で、同四半期のクライアントによる購入数量は前四半期比で10%増加すると予想されており、価格も前四半期比でほぼ横ばいとなるとしている。

eMMCは、Chromebookの需要が続き減少し、供給過剰状態となっているため、価格は同3〜8%下落すると予測されるほか、UFSは、スマホの出荷不振と消費者市場の冷え込みから、サプライヤが大幅な値下げを行ったとしても、需要に対する刺激は限定的であるため、価格は同3〜8%下落すると予測され、かつ販売されるビット数量も低水準に留まると見込まれるとしている。

このほか、NANDウェハは、購入数量が価格の下落が見込まれるため前四半期比で回復する見込みだという。すでに5月には契約価格を各社ともに引き下げており、6月も引き下がる見通しのため、第3四半期の価格下落は前四半期比5~10%に留まると予測されるという。