広島に新ライン構築を計画するMicron、北上の新棟建設を開始したキオクシア

3位はMicron Technologyで、2021年末段階の生産能力は前年比6.4%増の月産205万枚となったが、同社はこれまで新規工場建設を進めるのでなく、従来の工場をリニューアルしてアップグレードすることに注力してきた。DRAMとNANDのビット需要の成長をはかるため、DRAMダイの最先端プロセス採用による微細化や3D-NANDなどでの層数増加を進めることでビット数量を伸ばしており、今後数年間も新ファブ建設の見込みはないとみられるが、例外として広島工場では、新規300mm DRAM製造ラインを構築することを明らかにしており、新ラインは2024年に稼働する予定だという。

4位はSK Hynixで、2021年末段階の生産能力は同5.4%増の月産198万枚となった。同社は2018年に韓国と中国で大規模投資を実施、韓国・清州のFab M15と中国・無錫のFab C2Fはどちらも2019年に操業を開始したこともあり、2019年と2020年は投資を縮小したが、2021年は韓国・利川市の本社工場にFab M16を建設、2022年第4四半期までに稼働を開始する予定としている。

また同社は、NANDに関して、Intelから中国の大連工場を譲り受けることに同意したものの、2021年12月末時点ではまだ移転が完了しておらず、今回の調査には含まれなかったという。この事業買収は、数年にわたる多段階取引であり、SK Hynixが購入を完了する2025年3月までIntelがファブをウェハ製造に使用できることになっている。

5位はキオクシアとWestern Digital連合で、両社が共同所有するNANDファブの生産能力の伸びは同3.5%増とトップ5中で最も低い値に留まっている。月産能力は133万枚で、NANDのビット需要の増加に対しては、3D NANDの層数を増やすことで対応している。

ただし、新規工場の建設が進められており、四日市工場の新棟Y7(第7製造棟)は2期に分けて建設される予定。2022年4月15日にはY7の第1期建設で正式に両社が共同投資契約を交わし、2022年秋より量産を始めることを明らかにしており、すでに装置の搬入も開始されている。Y7では第5世代の「112層」や最先端となる「162層」に加え、次世代製品の製造も計画している。一方、北上工場でも第2期工事を2022年4月より開始し、2024年からの生産開始を予定している。

  • キオクシア四日市工場Y7第1期建屋

    キオクシア四日市工場Y7第1期建屋 (出所:キオクシア・Western Digital、2022年4月15日)