体験施設
「ANA Blue Hangar Tour」のキモは、この体験施設であろう。以前は体育館として使われていたスペースをリニューアルした由。そこに、大きく分けると以下のような展示がある。
- ANAグループで使用している機体の紹介
- 整備の内容。日常的に実施しているライン整備と、機体を機体工場に入れて実施するドック整備がある
- 整備に携わる部門ごとの、仕事の内容の紹介。部門ごとにひとつ、体験できるモノが用意されている
- 実機で使われているパーツなどの展示
中でも、パーツなどの展示は必見だ。実機から外された各種計器や搭載機器はもちろんのこと、航空機の機体構造で使われている、さまざまな素材のサンプルも置かれている。「さすが」と思ったのは、どのサンプルもサイズがそろっていること。これにより、素材ごとの比重の違いを手に取って体感できる。
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フライト・データ・レコーダーの現物。俗にブラック・ボックスと呼ばれるが、実際には目立たせるためにこういう色で、黒ではない。ロッキード社の銘板が付いていたから、L-1011トライスターから降ろしたものだろうか?
ツアーの概要
最後に、「ANA Blue Hangar Tour」の概要を。
開催は2022年4月4日以降の平日だが、施設点検などで臨時休館になる場合もある。時間は09:30~11:00と13:30~15:00。COVID-19の感染拡大に配慮する必要もあり、当初は1回につき最大24名、1日2回でスタートする。
予約はネット予約のみで、1カ月前からANAのWebサイトで予約を受け付ける。料金はかからない。受付開始は3月29日の09時30分だ。
著者プロフィール
井上孝司
鉄道・航空といった各種交通機関や軍事分野で、技術分野を中心とする著述活動を展開中のテクニカルライター。
マイクロソフト株式会社を経て1999年春に独立。『戦うコンピュータ(V)3』(潮書房光人社)のように情報通信技術を切口にする展開に加えて、さまざまな分野の記事を手掛ける。マイナビニュースに加えて『軍事研究』『丸』『Jwings』『航空ファン』『世界の艦船』『新幹線EX』などにも寄稿している。