Googleは2月4日(米国時間)、「Announcing Flutter for Windows — Google Developers Blog」において、クロスプラットフォームのユーザーインタフェースツールキット「Flutter」が正式にWindowsアプリケーション開発に対応したことを発表した。Windows向けのデスクトップアプリを開発できるこの機能は「Flutter for Windows」と呼ばれ、同日にリリースされた最新版の「Flutter 2.10」で使用することができる。

  • FlutterがWindowsデスクトップアプリの開発に対応(引用:Google Developers Blog)

    FlutterがWindowsデスクトップアプリの開発に対応 引用:Google Developers Blog

Flutterは、Googleがオープンソースで開発しているクロスプラットフォーム対応のUIツールキット。開発者は、Dart言語を用いて複数のプラットフォームのネイティブアプリを単一のソースコードで開発することができる。もともとはiOSとAndroid向けのUIツールとして作られたが、2021年リリースのFlutter 2.0で「Flutter for Web」が追加され、Webアプリの開発もサポートに加わった。

GoogleではFlutterをWindowsやMac、およびLinuxのデスクトップアプリ開発に対応させる計画を発表しており、今回正式発表された「Flutter for Windows」は、名前の通りそのWindows版になる。Flutter for Windowsが正式版になったことで、今後はiOSアプリ、Androidアプリ、Webアプリ、Windowsデスクトップアプリが、ひとつのソースコードから作成できるようになった。

Flutter for Windowsの実装は、Dart言語で記述されたフレームワーク、C++で開発されたエンジン、そしてWindowsネイティブの組み込みレイヤー(Windows Embedder)の三層構造になっている。これはiOSやAndroidなど、他のプラットフォーム向けの構造と同様で、最下層の組み込みレイヤーがOSで提供されるAPIとの橋渡しをする。

  • Flutter for Windowsのアーキテクチャ(引用:Google Developers Blog)

    Flutter for Windowsのアーキテクチャ 引用:Google Developers Blog

UIのルック&フィールは、複数のプラットフォームで一貫したデザインを提供するためのMaterial Designに加えて、Windowsに適したデザインを提供するFluent Designを選択することができる。また、Flutter for WindowsではWindows向けのmsix形式でインストーラーを作成することが可能であり、そのままMicrosoft Storeに登録することにも対応している。

Googleでは、macOSとLinuxの安定したサポートについても、今後数カ月以内に完了する予定とのことだ。