電通グループは1月27日、世界の広告費成長率予測(2021年~2024年)を発表した。これによると、2021年の世界広告費は前年比17.0%増の6,825億米ドル(約78兆円)で、コロナ禍の影響でマイナス7.1%となった2020年から大幅な回復・成長となり2019年水準を上回った。

  • 世界の総広告費の推移 出典:電通グループ

また2021年のインターネット広告は29.1%増の3,557億ドルで、構成比が初めて50%を超過した。テレビ広告も、2010年以降では最高の7.9%を記録。2022年はインターネット広告が14.8%成長で全体を牽引することで、9.2%増の7,450億ドルになると予測。2008年の金融危機の2年後の成長率と、コロナ禍の2年後となる2022年の成長率を比較すると約3倍となる。インターネット広告は今後も世界の広告市場の成長を牽引し、2024年には構成比が約60%となる見通しとのこと。

  • 媒体別成長率&シェア予測(全世界) 出典:電通グループ

具体的な2022年の世界の広告市場動向については、第1四半期は、北京冬季五輪の開催により、前年同期比8.9%の成長、第2、第3四半期は、11月に行われる米国中間選挙による広告支出の増加もあり、それぞれ同10.3%、10.7%の成長を予想している。また、第4四半期は、主にFIFAワールドカップ・カタール大会などにより、同9.2%の成長を見込んでいる。 一方、2022年の日本の広告市場については、デジタル広告(7.2%)とテレビ広告(3.2%)の牽引により、3.5%の成長を予測している。