2022年の年頭にあたり、日本オラクル 取締役 執行役 社長 三澤智光氏は年頭所感として、以下を発表した。

お客様のデジタル・トランスフォーメーション加速、ESG経営推進を支援

明けましておめでとうございます。

新年のスタートにあたり、ご挨拶申し上げます。

新型コロナウイルスの影響が緩和されることを見据え、日本においても多くの企業が経済回復と加速のためにデジタル・トランスフォーメーション(DX)を進めています。また、企業に対するESG(環境・社会・企業統治)に関連した非財務情報の開示要請が日本を含め世界的に強化されていることから、デジタルを活用した非財務情報に関するデータ収集と管理作業の効率化に向けた取り組みが求められています。

日本オラクルでも、イノベーション創出による競争優位の強化を図る「攻めのDX」と、経営環境の変化やリスクへの対応、事業継続性の確保を図る「守りのDX」の両輪で自身の改革に取り組み、データドリブン経営を「Oracle Cloud」で実現しています。自ら取り組むことで得られた知見やノウハウを活用し、お客様のDXおよびESG経営の推進を支援していきます。

さて、日本オラクルでは重点施策として、「DXの加速」、「ミッション・クリティカルなシステムのクラウド化」、「次世代社会公共基盤の実現支援」、そして「パートナー・エコシステムの拡充」の4つを掲げています。

まずDXの加速について、スピード感をもち、コストを抑えてDXを実現していく上で、広範かつ統合されたビジネス・アプリケーションを提供する「Oracle Cloud Applications」がお役に立てるはずと私たちは考えています。「Oracle Cloud Applications」により、業務プロセスをグローバルのベスト・プラクティスに合わせて標準化・効率化することで、余剰の経営資源を確保し、成長分野に集中投資することに寄与していきます。

この「Oracle Cloud Applications」の事例の一つに、三井住友フィナンシャルグループ様における「Oracle Fusion Cloud Enterprise Resource Planning (ERP)」の導入があります。この事例では、業務プロセスの抜本的改革の一環として、会計業務の共通化に「Oracle Fusion Cloud ERP」を採用頂きました。

次に、ミッション・クリティカルなシステムのクラウド化です。膨大なデータを処理する必要がある、ミッション・クリティカルなシステムのクラウド化は困難であり、コスト負担が大きいとされてきました。

私たちは、ミッション・クリティカル・システムのワークロードに最適化すべくゼロから再構築した次世代のクラウド・インフラストラクチャ「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を提供しています。これにより、システムの柔軟性や拡張性、高い処理性能と可用性を確保したクラウド化を実現しながら、お客様の総所有コスト(TCO)最適化を可能にしています。また、お客様が自社データセンター内において厳格なネットワーク・レイテンシーおよびデータ・レジデンシーなどの要件を満たしながら「OCI」のメリットを享受できる、「Oracle Exadata Cloud@Customer」や「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」などといったクラウド環境の柔軟な展開モデルも提供しています。

実際、野村総合研究所様が「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」を導入し、投資信託窓販向けソリューションである「BESTWAY」を「OCI」で稼働開始するなど、ミッション・クリティカルなシステムのクラウド化において「OCI」は広く活用されています。

次世代社会公共基盤の実現支援にも私たちは積極的に取り組みます。日本では2021年9月にデジタル庁が発足し、「クラウド・バイ・デフォルト原則」のもと、デジタル・ガバメント推進の動きが加速しています。既存の社会・公共基盤の多くを支える私たちがその発展に寄与してまいります。

最後にパートナー・エコシステムの拡充です。ここまで紹介した重点施策を実現していくためには、パートナー様との協業、パートナー様からの支援が欠かせません。基幹システムのクラウド移行の加速に向けてNEC様との協業を強化するなど、そのつながりは広がりを見せています。こうしたパートナー様との連携強化により、上記の3つの施策を推進し、お客様、パートナー様、社会、そして当社の「四方よし」を目指していく所存です。

DXなど社会の変化に追従する上で必要となるスキルを学び直す、リスキリングを支援する取り組みも進めています。その1つとして、昨年9月から無償のOCIトレーニングと同認定試験を期間限定で無償提供しています。

社会の要請に対して責任を果たすための活動も積極的に進めます。

その一つがサステナビリティへのコミットメントです。具体的には、2025年までにオラクルの施設とクラウドの両方を含めたグローバル・オペレーションを、100%再生可能エネルギーで行うための取り組みを推進しています。持続可能な未来の実現に向け、オラクルは今後も積極的に持続可能な社会の実現に取り組みます。

すべての人が自分らしく働ける環境を後世に与える仕組みづくりをサポートするための施策である、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みも強化していきます。オラクルは多様性に敬意を払うだけでなく、むしろ歓迎している企業です。イノベーションを創出し、未来を切り拓いていくためには、多様な背景や視点、能力を持った人々が必要だと信じているからです。今後もあらゆる人々が最高の環境で仕事ができるように、そして社会の中でモデルとなれるように、率先して取り組みを進めていきます。

2022年も日本オラクルは広範かつ統合されたクラウド・サービスと多くの新しいソリューションにより、TRUSTED TECHNOLOGY ADVISORとしてお客様の解くべき課題を解決し、持続的な成長を支援してまいります。