ネクイノ、 NTTコミュニケーションズ(NTT Com) 、アーク・イノベーションは11月29日、3社共同でヘルスケア業界向けプラットフォームを活用した婦人科向けの高付加価値な事業展開に関する業務提携を締結した。

今回の提携にもとづき 、ネクイノが提供する婦人科領域のオンライン診察プラットフォーム「スマルナ」の利用者データを活用したフェムテック(FemTech)事業の拡大検討を行うという。

フェムテック( FemTech)は女性特有の健康課題を解決するテクノロジーや、それを使った製品・サービスで、女性を意味するフィメール(Female)とテクノロジー(Technology)を組み合わせて作られた言葉。

婦人科疾患においては定期検査の受診率の低さに加えて、一度疾患が発覚すると頻繁な経過観察が必要となり、仕事と治療の両立や、高額な医療費の負担などが課題となっているという。

ネクイノ 代表取締役 石井健一氏は、「日本における乳がん・子宮がんに対する5年生存率は世界最高水準で、世界標準の治療法などが 十分に整備されており、課題が起こった『後』のアプローチは世界最高水準だが、がん検診は諸外国に比べ明らかに低く、日本のHPV ワクチン接種率は世界最低水準で、課題が起こる『前』のアプローチは世界水準より明らかに劣る。日本の制度やインフラが追い付いていない」と話す

  • ネクイノ 代表取締役 石井健一氏

そこで本提携では、「スマルナ」 において取得した各種データの安全な利活用を進め、婦人科領域における新たな高付加価値サービスの検討を行う。

ネクイノが利用者の同意を得た上で、収集した問診データやオンライン診療データ 、「スマルナ」の提携クリニックで取得した治療データなどを 、 NTT Comが開発した ヘルスケア 業界向け プラットフォーム 「Smart Data Platform for Healthcare」 で収集・蓄積・加工・分析し 、高付加価値な事業モデルの創出に繋げるという。

  • 、「スマルナ」で収集しているデータ

  • 個人情報の取り扱い

たとえば、「スマルナ」で収集したデータを統計情報化または匿名化などの加工した上で活用し、新しい保険商品の開発を行う。保険商品の開発においては、、EHR(Electronic Health Record:個人の医療・健康などに係る様々な情報を蓄積し、参照・活用・共有 などを行う仕組み)を組み合わせることでリスクを細分化し、一人一人に最適な商品などを設計する。

  • 検討中の協業モデル

また、医師などから「スマルナ」経由での受診勧奨や健康アドバイスなどを行うことで、罹患リスクを低減し利用者の保険料の適正化を図るという。

各社の役割は、ネクイノが婦人科領域のオンライン診察プラットフォーム「スマルナ」で取得したデータを活用し、高付加価値なヘルスケアサービスの検討・提供を行い、NTT Comはヘルスケア業界向けプラットフォームである「Smart Data Platform for Healthcare」の提供および安心・安全なデータ活用に関するコンサルテーションを、アーク・イノベーションは、3社共同での事業モデルの構築・実装支援を行う。

  • 3社の役割

今後3社は、個人情報を適切に保護しながらデータを利活用することで、2022年度内、婦人科向け保険サービスの開発など、新たな事業の展開をめざす。