NTT ドコモとエアバスは11月15日、、高度約20キロメートルの成層圏を飛ぶ高高度無人機(HAPS)「ゼファー(Zephyr) S」を用いて、成層圏から地上の受信アンテナへのUHF帯の電波伝搬測定実験を8月25日から9月13日まで実施したと発表した。実証実験期間のうち、成層圏での滞空日数は18日間。

  • エアバス製HAPS「ゼファー(Zephyr) S」 離陸時の様子

両社は実証事件において、成層圏を飛行するHAPSに搭載された無線機と地上のアンテナとの直接接続を行い、通信距離や気象条件などさまざまな条件下で、電波の減衰特性を分析した。加えて、低速ながら長距離の通信が可能となる低い周波数(450MHz)を使用した、約140キロメートルに及ぶ長距離接続の伝搬測定にも成功した。

  • 実証実験の概要

これにより、UHF 帯電波を用いるHAPSとスマートフォンの直接通信が最大約140キロメートルの距離にわたり、十分な通信品質を実現可能であることを確認したという。

さらに、今回の伝搬試験において、HAPSは最高到達高度76,100ft(約23.195キロメートル)を達成しており、これは国際航空連盟(FAI)公式の世界記録となるという。

両社はこの実証実験で得られた結果をもとに、今後通信エリア化が難しい山間部や離島、海上などへの通信サービスの提供を可能にすることを目指す。