日立ソリューションズは10月20日、車載ソフトウェアの開発において、AI(人工知能)で文書やソースコードからプロジェクトの品質不良や工期遅延リスクを早期発見し、手戻りを防止する「プロジェクト状況可視化システム」の提供を同21日より開始すると発表した。価格は個別見積もり。

  • 「プロジェクト状況可視化システム」を適用したプロジェクトの流れ

同システムでは、人間が日常に使っている自然言語をコンピュータ処理させる「自然言語処理AI」を活用する。活用プロジェクト計画書や仕様書、設計書の品質分析結果や、ソースコードの不具合情報などの解析結果を組み合わせ、プロジェクト全体の品質を診断し可視化する。機能別や工程単位での品質や進捗状況、不具合発生の傾向、残存テスト項目なども可視化される。

  • 文書やソースコードなどを分析してレポートを作成する流れ

同システムを利用することで、プロジェクト管理者はメンバーがリモートワークで分業するような状況においても、問題を早期に発見して手戻りを防止できる。プロジェクトの状況は日々自動で集計・分析し、レポーティングされるため、担当者の報告書作成にまつわる負荷が軽減される。

  • レポートイメージ

具体的には、Googleが公開している自然言語処理に特化したAI技術「BERT」を適用した「活文 知的情報マイニング」という技術を活用する。文脈や言葉の意味を捉えて判定を行い、判定内容の「確信度」のレベルに応じてスコアリングすることが可能だという。

また既存のドキュメントや成果物をそのまま利用でき、Office文書やPDF、ソースコードのバージョン管理システム「Git」や「Apache Subversion(SVN)」で管理しているソースコード、プロジェクト管理ソフト「Redmine」などで管理している不具合情報を分析できるとしている。