ルネサス エレクトロニクスは3月25日、Xilinxのマルチ電源レールを必要とするFPGA「Artix-7」と「Spartan-7」、ならびにMPSoC「Zynq-7000」向けパワーマネージメントIC(PMIC)リファレンスデザインボード3製品を発売した。

これらのリファレンスデザインは、1回の設計で複数のXilinxのスピードグレードおよびDDRメモリタイプ(DDR3/DDR3L/DDR4/LPDDR2/LPDDR3)に対応できるようになるターンキーソリューションで、4フェーズ3出力のPMIC「ISL91211AIK」と4出力の「ISL91211BIK」をベースとし、どちらの製品であっても最大出力電流20Aの供給を可能としている。

Atrix-7用リファレンスデザインボード「ISL91211A-BIK-REFZ」は、マルチフェーズPMIC「ISL91211AIK」と「ISL91211BIK」、3A同期型降圧DC/DCコンバータ「ISL80030」、およびマイクロ電圧リファレンス「ISL21010DFH312」を搭載。PMICはマルチ電源レールで最大95%の電力効率を実現しているという。

Spartan-7用リファレンスデザインボード「ISL91211BIK-REF2Z」は、マルチフェーズPMIC「ISL91211BIK」と3A同期型降圧DC/DCコンバータ「ISL80030」を搭載。ISL91211BIKはVCCINT、VCCBRAM、VCC_DDR、VCCAUXおよびVTTに必要で、プラグインAC/DCアダプタまたはDC電源から5Vの供給を受けるほか、ISL80030は3.3V、2.5Vおよび1.8VレールのVCCOとVCC_IO用に利用されるという。

Zynq-7000用リファレンスデザイン「ISL91211AIK-REFZ」は、マルチフェーズPMIC「ISL91211AIK」と低自己消費電流(IQ)のバックレギュレータ「ISL9123」、および3A同期型降圧DC/DCコンバータ「ISL80030」を2個を搭載したもので、ISL91211AIKはVCCINT、VCCBRAM、VCC_DDRおよびVCCAUXに利用される。

これらの制御ループはXilinx FPGAのロードプロファイル用に最適化されており、レール内部で電源投入とシャットダウンシーケンスを管理することができるため外部のシーケンスコントローラが不要といった特徴のほか、2MHzのスイッチング周波数と高速な負荷過渡応答のために、各PMICボードは22μF出力キャパシタと小型のインダクタを使用できるため、基板サイズの縮小も可能だという。

なお、参考価格はISL91211A-BIK-REFZが168ドル、ISL91211BIK-REF2Zが160ドル、ISL91211AIK-REFZが160ドルとなっている。

  • PMICリファレンスボード

    Xilinxの「Artix-7」、「Spartan-7」、「Zynq-7000」向けPMICリファレンスデザインボード