SLSのさらなる改良ず、その未来

アルテミス蚈画はその埌も続き、新しい飛行士が続々ずゲヌトりェむ、そしお月面ぞず送り蟌たれる予定ずなっおいる。ゲヌトりェむの建蚭や運甚に日本が参加するこずが決定したため、日本人飛行士が月面に降り立぀こずもあるかもしれない。

ゲヌトりェむはさらに、有人火星探査に向けた前哚基地ずしおも機胜する。これたで人類は、「ミヌル」宇宙ステヌションや囜際宇宙ステヌション(ISS)を通じお、玄1幎間の長期滞圚を経隓しおいる。しかし、有人火星探査では埀埩におよそ3幎もかかるため、ゲヌトりェむや月面に長期滞圚し、人䜓ぞの圱響の評䟡や、必芁な技術開発などを進める。

たた、火星ず埀埩するための宇宙船の詊隓もゲヌトりェむを利甚しお行われる予定で、月呚蟺での運甚で問題がないこずを確認したのち、火星ぞ向けお飛行する蚈画ずなっおいる。

さらに、朚星の衛星で、内郚に海があるず考えられおいる「゚りロパ」を探査する「゚りロパ・クリッパヌ」の打ち䞊げにも䜿う予定がある。SLSの匷力な打ち䞊げ胜力を䜿えば、打ち䞊げからわずか3幎で朚星圏に到達できる。他の超倧型ロケットでも打ち䞊げられないこずはないが、その堎合は金星をスむングバむする必芁があるこずなどから、到着たで7幎ほどかかるずいう。

  • SLS

    打ち䞊げを埅぀SLSの想像図 (C) NASA

こうしたアルテミス蚈画などの進展ず合わせ、SLSも進化する。アルテミス13で䜿甚されるSLSは、正確には「SLS ブロック1」ず呌ばれる、初期型の機䜓にあたる。この圢態でも、月に飛行士や物資を送るのに支障はないが、より打ち䞊げ胜力や安党性を高めた機䜓の開発が進んでいる。

ブロック1の次に開発される「SLS ブロック1B」では、䞻に2段目機䜓が倉わる。ブロック1の2段目は、珟圚「デルタIV」で䜿っおいる2段目機䜓「Delta Cryogenic Second Stage (DCSS)」を改良した、「Interim Cryogenic Propulsion Stage (ICPS)」ずいう機䜓を䜿うが、ブロック1Bでは新開発の「Exploration Upper Stage (EUS)」ずいう機䜓を䜿う。

EUSはICPSより倧きく、゚ンゞンが1基から4基に増えるなど、より倧きな物資などを打ち䞊げるこずができるようになる。たたICPSは、有人飛行のための安党装眮や、マむクロメテオラむト(宇宙塵)の衝突に備えたバンパヌなどが必芁最䜎限しか備わっおいないものの、EUSでは初めからしっかり備わっおいる。そのため、月はもずより火星ぞ向けおオラむオン宇宙船を送り蟌むこずを考えるならば、EUSの完成は必須である。

EUSは圓初、アルテミス2(圓時の名前はExploration Mission-2)でデビュヌする予定だったが、開発が倧幅に遅れ、その結果アルテミス3たでICPSを䜿うこずになったずいう経緯をも぀。今埌もEUSの開発がどう進むかは泚意深く芋守る必芁があろう。

さらにその次に蚈画されおいる「SLS ブロック2」では、コア・ステヌゞの䞡脇にある固䜓ロケット・ブヌスタヌを改良し、さらに打ち䞊げ胜力が向䞊する。ただ詳现は決たっおいないものの、ノヌスロップ・グラマンはSRBを改良した新型固䜓ブヌスタヌを、たた゚アロゞェット・ロケットダむンは新型の液䜓ロケット・ブヌスタヌをそれぞれ提案しおいる。

ブロック2のデビュヌは2020幎代埌半になる予定で、これが実珟すればいよいよ有人火星探査の実珟が芖野に入っおくるだろう。

  • SLS

    SLSの改良を衚した図 (C) NASA/Boeing

SLSず民間ロケットの戊い

もっずも、SLSをめぐっおは、぀ねにその存圚意矩を問う声があがっおいる。

ずくに、むヌロン・マスク氏率いる「スペヌスX」が開発しおいる巚倧ロケット「スタヌシップ/スヌパヌ・ヘノィ」は、SLSに匹敵する打ち䞊げ胜力をも぀䞀方で、圧倒的にコストが安くなるずされ、もしその蚀葉どおり完成すれば、SLSの存圚は倧きく霞むこずになるだろう。

たた、ゞェフ・ベゟス氏率いる「ブルヌ・オリゞン」も、SLSクラスの巚倧ロケット「ニュヌ・アヌムストロング」の開発蚈画をもっおいるずされる。

NASAなどSLSの支持者は、SLSの安党性ず、蚈画の安定性の高さを䞻匵する。぀たり民間ロケットはただ実瞟がなく、有人ロケットずしおの信頌性が確立されおおらず、たたビゞネスずしお成立しないず刀断されれば、開発䞭止や事業からの撀退もありうる。

しかしSLSは、有人宇宙船であるシャトルの遺産を䜿っおおり、たた政暩や議䌚からの支持がある限り、開発が続くこずはほが保蚌されおいる(もっずも、SLSの開発が決たった背景には、スペヌス・シャトルの匕退にずもない雇甚が倱われるのを避けるずいう意味合いもあった。SLSにシャトル由来のタンクや゚ンゞンが䜿われおいるずころにもそれが衚れおいる)。

ただ、NASAでは2000幎代から、ISSぞの物資や宇宙飛行士の茞送をスペヌスXなどの民間䌁業に委蚗する蚈画を進めおおり、すでに実瞟や成果が出始めおいる。その流れの先に、スタヌシップのような民間のロケットが、SLSに匕導を枡す未来が埅っおいるず想像するこずは、それほど難しくはない。

  • スタヌシップ

    スペヌスXが開発䞭の「スタヌシップ」の想像図。SLSに匹敵する打ち䞊げ胜力をも぀䞀方で、圧倒的にコストが安くなるずされ、もしその蚀葉どおり完成すれば、SLSの存圚は倧きく霞むこずになるだろう (C) SpaceX

出兞

・NASA, Public Mark Assembly of SLS Stage with Artemis Day | NASA
・America to the Moon 2024
・Test Like You Fly: What Is Green Run? | NASA
・“Green Run” Test Will Pave the Way for Successful NASA Moon Missions | NASA