ソフトバンクとMONET Technologies(MONET)、電通、シード・プランニングは11月19日、同26日から福島県のいわき市で実施される「グリーンスローモビリティを活用した次世代交通システム実証」に協力すると発表した。実証の実施主体は、いわき市(代表申請者、実証事業の総合調整)、小名浜まちづくり市民会議(地域主体)、磐城タクシー(車両の運行主体)、ソフトバンク(システム提供主体)の4者となる。

実証は、環境省が公募した二酸化炭素の排出量削減を目的とする「IoT技術等を活用したグリーンスローモビリティの効果的導入実証事業」に、いわき市、小名浜まちづくり市民会議、磐城タクシー、ソフトバンクが応募したプロジェクトが採択されたことを受けて実施するものとなる。

採択事業名は「“フラシティビークル”(いわき市のシティセールスのテーマである「フラ」を感じさせる装飾を施した車両)を活用した『スマート交通』推進プロジェクト」となり、小名浜地区(小名浜港周辺観光・市街地エリア)における来訪者・住民などの移動手段の確保と、観光地・市街地エリアの回遊性向上を目的に実施する。

期間は11月26日~2020年3月8日まで、運行車両はシンクトゥギャザー製の低速電動バス「eCOM-82(イーコムエイトツー)」1台、運行形態は平日がデマンド型運行(予約制)、乗降ポイント20カ所、土日祝日が定時定路線型運行(予約不要)、乗降ポイント8カ所、運賃は税込で100円(小学生以下は無料)。

  • 運行車両のイメージ

    運行車両のイメージ

実証内容は(1)システムを活用した実証として、オンデマンド配車プラットフォームの活用によるスマホアプリからの乗車予約や運行状況の確認、ドライバー向け運行管理システムの活用による予約状況に応じた最適な運行ルートの提示、情報配信プラットフォームを活用した車内サイネージでの地域情報の発信など。

また、(2)地域活性化に向けた取り組みとして、地域内の観光施設や商店など87施設・店と連携し、実証車両の利用者に交付される「乗車証明書」を提示することで、各施設・店で特典が受けられる取り組みを行う。

デマンド型および定時定路線型のグリーンスローモビリティを運行することで環境に配慮しつつ、いわき市における交通利便性の向上や地域の活性化などを目指す。ソフトバンクは実証の主体として携わり、MONETはオンデマンド配車プラットフォームとドライバー向け運行管理システムの提供、電通は情報配信プラットフォームの提供、シード・プランニングは実証の効果測定や結果の分析を、ソフトバンクから委託を受けて協力する。