KDDIは、衛星写真から3Dマップ生成し、スマートフォンをかざし位置と向き情報を得ることができるVPS(Visual Positioning Service)技術を活用したサービスの企画・開発を米Sturfeeと共同で推進する戦略的パートナーシップを締結したと発表した。

VPSは、現実世界のデジタルツインとなる3Dマップ (3Dメッシュ) と、スマートフォンやスマートグラスに搭載されたカメラ越しの画像とを照合し、向きや方位を含む高精度な位置情報を特定する技術。AR (拡張現実) と組み合わせることにより、位置情報に紐づくデジタル看板やナビゲーション、広告宣伝やエンターテインメント、アート、教育などさまざまな体験を創出することが期待できるという。

  • 街中の店舗情報を建物に重ねて表示(左)、目的地までのルートを道路上に表示(中)、屋外でのAR広告(右)

SturfeeはVPSに用いる3Dモデルを衛星写真から、現実世界のデジタルツインとなる3Dモデルを生成する技術を保有するため、人工建造物が存在し、衛星写真の取得可能な場所であればエリア化できる技術を保有しており、Sturfeeの技術を利用した3Dマップを作成し、スマートフォンやスマートグラス上でナビゲーションや、EC (ショッピング) やゲームの実証実験に活用するほか、Sturfeeが開発したVPSプラットフォームに自社のコンテンツマネジメントサーバを組み合わせ、VPSサービス導入を検討している法人へ提案すると共に、国内利用に向けた対応をサポートする。

これまでの一般的なARサービスで位置特定のための目印として利用されていた「QRコード」などのマーカーを使わずに、普段見ている建物などが含まれる街の風景そのものを利用して位置を特定することができる。

例えば、地下鉄の駅を出て地上に上がった際に、スマホやスマートグラスのカメラをかざすだけで短時間のうちに正確な位置と向いている方角を特定することが可能となり、これまでのGPS機能などのみを利用した位置特定方法と比較し、道に迷いにくくなることが期待できるという。

また、周辺の建物や道路を立体物として把握することが可能となるため、位置や方角の特定のみならず、街そのものを3D空間として利用することができ、AR技術と組み合わせて街を舞台としたより高度なゲーム (相対位置ではなく絶対位置情報を活用) の提供も可能になるという。

  • 周辺の建物や道路を3Dメッシュとして認識