協和エクシオは11月、クラウド総合エンジニアリング分野の強化を目的に、新たにMicrosoft Azure IoT Edgeを活用した「Vision AI Developer Kit」と自社の IoT・センサソリューションを組み合わせた実証実験を開始すると発表した。

  • 「Vision AI Developer Kit」

    「Vision AI Developer Kit」

近年では商業施設や鉄道など、さまざまな施設で防犯カメラの新設や増設が進んでおり、警備員が24時間体制で監視し、膨大な監視映像を目視確認することは困難なため、監視業務の高度化や効率化が課題となっている。また、膨大な監視映像を処理するためには、安定した通信と高度なシステムが必要となり、コストや導入スピードも課題だという。

そこで、同社ではエッジコンピューティングが可能なカメラを利用し、通信インフラで培ってきた施工技術を当社が提供することで、課題解決に寄与できると考え、実証実験に取り組む。

実証実験では、建物施設のエントランスなどにVision AI Developer Kitとフラッド型メッシュネットワーク(商品名:EXBeacon プラットフォーム)」を設置し、カメラの画像(顔・身体)解析と利用者が持つBLEタグを使った認証を補完的に組み合わせ、ゲート管理や認証を実施し、その有効性や安全性などの効果測定を行う。

  • 実証実験のイメージ

    実証実験のイメージ

これにより、エッジでのAIによる画像処理を実現し、従来 AI の活用が困難だった現場(防犯/危険予知でリアルタイム処理が必要な現場、ネットワークが不安定な現場、映像をクラウドに格納できない現場)でも活用が可能となり、ビルや工場、建設現場、社会インフラに展開し、安全性、防犯性、効率化の向上に対する貢献を想定している。

Vision AI Developer Kitは、Azure Machine LearningとAzure IoT Edgeを組み合わせ、IoTのシナリオで使われるカメラの開発に必要なハードウェアとソフトウェアを提供するキットで、マイクロソフトがQualcomm(クアルコム)と共同開発している。また、Azure IoT EdgeはMicrosoft Azure上で展開されるAIやカスタムロジックをエッジで実行を可能にするサービスとなっている。

実証実験の結果を踏まえ、工場や、建設現場、社会インフラなど実ビジネスへの適用を検討し、新しいソリューション提供を進めていく方針だ。