富士フイルムは4月12日、医療領域の画像解析に強みを持つ東京大学発のベンチャー企業エルピクセルと医療画像の診断支援に用いられるAI技術に関するパートナーシップを合意したと発表した。

現在、エルピクセルは複数の医療機関と連携し、AI技術を活用した医療画像診断支援の研究開発を進めている。同社が開発する診断支援AI技術を、富士フイルムの医用画像情報システム(以下:PACS)に搭載していくことを目指す。

PACSは、CT・MRI・DRなどの医用画像診断装置で撮影した診断画像をサーバに保管し、医師がそれらの画像を院内の端末に表示して、読影診断するためのシステム。近年、CTの多列化などの画像診断装置の高性能化に伴い画像枚数が増加しており、医師が効率的に読影・診断するためのソリューションが求められている。

また、AI技術の活用により、画像から病変の疑いがある箇所を検出する。あるいは過去の症例と照合しレポートを半自動で作成するなど、医療現場の効率化に貢献できるソリューションが期待される。

今後富士フイルムは、医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、そして医療機器の保守サービスに活用できるAI技術の開発を進め、これらの領域で活用できるAI技術を、「REiLI(レイリ)」というブランド名称で展開予定としている。