東京商工リサーチは8月22日、2016年度の上場小売業277社の平均年間給与の調査結果を発表した。これによると、同年度の上場小売業の平均年間給与は503万6000円で、4年連続で前年度を上回ったという。

上場小売業277社の平均年間給与 資料:東京商工リサーチ

金額別では、500万円未満が157社(構成比56.6%)と6割弱を占めた。上場企業3044社の平均給与は609万8,000円(中央値591万円)であり、他業界の平均給与とは100万円超の開きがあるが、同社は企業間の格差も大きいと指摘している。

277社のうち、平均給与が前年度より増えたのは182社(構成比65.7%、前年度169社)で6割を占めた。一方、減少は91社(同32.8%、同104社)、横ばい4社(同1.4%、同4社)だった。平均給与の「増加」企業数は6割を占め、前年度より13社増えた。

業態別では、トップがコンビニエンスストアの571万4000円(中央値586万3,000円)で、前年度より11万6000円(2.0%)増加した。これに、百貨店の570万2000円(中央値605万5000円、前年度比0.3%減)、ドラッグストア・調剤薬局の525万3,000円(同524万4,000円、同4.1%増)が続く。

一方、最も低かったのは家電販売の470万7000円(同467万1000円、同2.0%減)だった。家電販売は減少率も最大であり、その要因について、同社は「中国人観光客を中心とした爆買いの終焉やネット通販の成長などによる業績低迷が影響した」と分析している。

個別企業の平均給与トップは、「カプリチョーザ」など国内外の各種ダイニングレストランを統括する持株会社のWDI(従業員1名)の1010万3000円だった。

これに、「阪急阪神百貨店」「イズミヤ」「阪急オアシス」の持株会社、エイチ・ツー・オーリテイリングの891万4,000円(前年度931万1,000円)、家具販売「ニトリ」の持株会社、ニトリホールディングスの877万7,000円(同860万円)が続く。

上場小売業277社の平均年間給与 金額別 資料:東京商工リサーチ