ファーウェイは4月14日、同社グループの経営戦略説明会「第14回ファーウェイ・グローバル・アナリスト・サミット」(4月11日~13日、中国・深セン)で3月にクラウド事業に特化したビジネス・ユニット(BU)を新設したほか、同サミットで初のパブリック・クラウド・サービス・スイートとなる「ServiceStage」を発表した。

第14回ファーウェイ・グローバル・アナリスト・サミットにおける発表の様子

ServiceStageは、開発ワークフロー、アプリケーションおよびリソースのスケジューリングに加え、マイクロサービスの運用とガバナンスに関するフレームワークを統合したパブリック・クラウド・サービス・スイートで、クラウド・ネイティブ・アプリケーションの開発者向けに提供される。

今後、産業パートナーとの共同イノベーションを通じて、ハイパフォーマンス・コンピューティング、IoTなど、利用可能性の高い10のシナリオに特化したクラウド・サービスを展開していく。

同社によると、企業は今後、クラウドを利用して顧客に価値を提供できるよう自社の能力を向上する必要があり、同社では過去10年間にわたり、クラウド・コンピューティングや関連技術、製品開発に投資しており、ソフトウェアとハードウェア双方で信頼性を確保しているという。

また、OpenStackベースのクラウド・アーキテクチャを提供し、さまざまなプラットフォーム間の容易な接続を実現した大規模かつグローバルなクラウド構築を支援しており、自社のIT、開発、顧客サービス・システムもクラウド上で展開。

さらに、同社が事業を行う世界170カ国で構築した現地でのサポート体制と1万2000社以上のサービス・パートナー網を活かし、企業によるビジネスの迅速なクラウド移行を支援する。

一方、2000人の人員を抱えるクラウドBUは、10のカテゴリーに大別される54のフルスタックのクラウド・サービスの提供を3月に開始した。中国、欧州、北米、中南米、南太平洋などの地域において、独フォルクスワーゲン、蘭フィリップス、欧州原子核研究機構(CERN)などの企業や研究機関にサービスを提供している。

また、ドイツ・テレコム、チャイナ・モバイル(中国移動)、テレフォニカなどの通信事業者と協力してオーダーメイドのパブリック・クラウド・サービスを提供しており、こうしたクラウドはファーウェイが構築したプラットフォーム上で稼働している。

今後、クラウド・サービスはデジタル変革を支えるインフラストラクチャとなることが見込まれており、企業はテクノロジーや高コストなシステム構築により必要な効率性を社内で実現することから、クラウド・サービスを導入して陣族にビジネスやサービスの課題に対応することに軸足を移しているという。

クラウド管理側とエコシステム全体とが相互に連携できる新時代のICTアーキテクチャを求めており、同社は引き続きパートナーと連携し、政府、金融、製造業、防災・防犯、通信事業者、そのほかさまざまな領域の顧客に信頼性とオープン性を兼ね備えたクラウド・サービスを提供してい方針だ。