外食産業向けの食材卸専門商社である西原商会と日本IBMは4月10日、西原商会の営業の提案力強化や営業支援業務の効率化に向け、IBM Watsonを活用し、チャット画面で自社商品に関する問い合わせに自動応答する営業支援システムを開発し、4月1日から運用を開始したと発表した。

西原商会は、食品アレルギー、産地やトレーサビリティーの明示、ベジタリアンやハラールといった多様な消費者ニーズに対応するため、自社商品の情報やそれらを使用したレシピ情報、一般的な食材の基礎情報などを営業向け社内Webシステムに蓄積してきた。

今回の開発した新しい営業支援システムは、従来の社内Webシステムに加えて10万以上の食材の情報や過去の問い合わせ回答などをIBM Watsonに学習させ、営業担当者がパソコンのチャット画面に入力した質問に対し、一部を自動応答できるようにしたもの。これにより、これまで、長い場合で2日かかっていた回答を即座に入手可能となったという。

新システムでは、IBM WatsonのNatural Language Classifier(NLC)機能を用いて自然言語を解釈し、導き出した回答をチャット画面に表示すると同時にIBM WatsonのText to Speech機能で音声を合成して出力する。

例えば「春の弁当に最適な食材の組み合わせは?」といった顧客からの問い合わせを自然な話し言葉でチャット画面に入力すると、春に旬を迎える食材とその食材を使ったお弁当に適したメニューを提示するという。

これにより、これまで商品企画部が直接対応していた営業からの問い合わせ業務の効率を2割向上。また、営業担当者は即座に適切な提案を行えるようになり、さらなる売上げ向上を見込んでいるという。