NECは8月21日、高精度な画像認識やデータ関連性の分析を行う人工知能技術の1つであるディープラーニング技術を搭載したソフトウェア「NEC Advanced Analytics－RAPID機械学習 V1.1」を発売した。

同製品は、事前に手本となるデータを読み込むことで、自動で傾向を学習するもの。

従来の機械学習技術では、分析専門家がデータの着眼点を設定し、この着眼点に現れる傾向を繰り返し学習させることで、傾向を記憶させていた。この作業には高度な専門知識が必要であるうえ、設定した着眼点からずれた傾向を判断できないという課題があった。

新製品は、ディープラーニング技術を活用することで、手本となるデータから着眼点を自動で設定し、簡単にデータの分類・検知・推薦などの高精度な判断を実現する。

また、NEC北米研究所の独自技術により、メモリに読み込むデータ量を圧縮し、省リソースで高速なデータ分析処理を実現。これにより、従来十数台のサーバが必要であった機械学習システムを1台のサーバで導入することができる。

同製品は、カメラ画像からの不審者の自動検出など高精度な画像認識を実現する「画像解析版」と、求職者の適性にあった求人企業の紹介など効果的なマッチングを実現する「人材マッチング版」の2種類から構成される。

「画像解析版」は、カメラで撮影した画像を学習させることにより、検出したいシーンを高精度で判別・検知し、監視管理者の負担を軽減。交通監視、店舗内監視、工場の検品など、画像分析を活用する業務への適用が想定される。

「人材マッチング版」は、エントリーシートや企業の人事データから、求職者と求人企業の関係性を学習し、求職者には好適な求人企業の紹介、企業には求人条件に適した人材の探索を支援。人材仲介業、企業内の人事業務（人材配置や組織改正）、大学の中退者予測などへの適用が想定される。

価格は、「画像解析版」（初年度年間利用料）が530万円から、「人材マッチング版」（初年度年間利用料）が560万円から、「検証評価版」（1カ月間の利用料）が110万円からとなっている（いずれも税別）。