KDDI研究所と古河電気工業は、光ファイバーで2時間のハイビジョン映像ならば1秒で700本分の転送が可能な、毎秒140テラビット(1テラは1兆)という世界最大の速度、超大容量の信号を、約7,300キロメートル相当の距離まで伝送することに成功したと発表した。伝送性能の指数となる「容量距離積」は、従来よりも約70倍向上し、世界で初めて1エクサ(1京の100倍)の壁を突破したという。
光ファイバーの開発では、いっそうの伝送容量の増大化のために、ファイバー内に複数のコアを形成した「マルチコアファイバー」などを用いた空間多重光通信技術の研究が進められている。伝送容量は毎秒100テラビットを超えるまでになったが、伝送容量と伝送距離の積で示す「容量距離積」は毎秒0.7エクサビット・キロメートル程度までが限界だった。
KDDI研と古河電工は、コア間の信号の干渉を十分に抑えることで長距離の中継伝送が可能となる「7コア光ファイバー」と「7コア光増幅器」を共同開発した。さらに、信号の伝送効率を高める新たな信号処理技術を導入し、伝送効率を従来よりも2倍に高めることに成功した。これにより、伝送容量を従来の約15倍の毎秒140テラビットに拡大し、伝送距離を7,300kmまで伸ばすことが可能となったという。この伝送距離は東京-豪州ブリスベン間、あるいはニューヨーク-ローマ間に相当する。
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