PDP-11と聞いて懐かしさを覚えるエンジニアも多いだろう。PDP-11は1970年代から80年代にかけて活躍した16ビットのミニコンピュータ。UNIXの黎明期に存在したコンピュータで、UNIXを学んだエンジニアであれば、実物は見たことがなくても、その名前はどこかで読んだことがあるだろう。PDP-11は多くのエンジニアに活用され、現在のコンピュータやオペレーティングシステムに影響を与えている。

このPDP-11が、今でも現役で動いており、さらに2050年まで稼働し続ける計画になっていると言われると、さすがに耳を疑ってしまうが、どうやら事実らしい。The Registerに掲載された記事「Nuke plants to rely on PDP-11 code UNTIL 2050!」によれば、GEの原子力発電所ではPDP-11が今でも発電所内のロボットの制御に活用されており、さらに向こう37年間、2050年までは使われ続ける予定になっているという。

現在、エンタープライズシステムの構築には、さまざまなアプリケーション、ミドルウェア、ライブラリ、モニタリングツールが使われ、システムの開発には抽象度の高い高級言語が使われることが多い。ただし、それほど主流ではないものの、古くから企業システムを内製してきたような企業では、現在でもアセンブラでエンタープライズシステムを開発しているところもある。アセンブラを使うと低レベルなところでの動作をすべて記述することになるため、マシンの挙動が正確に把握でき、何が処理されているのかわからないといった問題が発生することがない。システムの動作を完全に把握できる安心感があるとして、アセンブラを使い続けている企業もある。