警察庁は2月22日、全国47都道府県警察によるファイル共有ソフトなどを使用した著作権法違反事件の一斉集中取締り結果について発表した。一斉集中取締りは2009年から実施されており、今回が4回目となる。

発表によると、一斉集中取締りは2月19日から21日にかけての3日間に実施。映画やアニメなどのコンテンツを権利者に無断でアップロードし送信できる状態にするなど公衆送信権を侵害した著作権法違反について、全国で124箇所を捜索し、27人を逮捕した。

この内、日本レコード協会では協会会員レコード会社がに関わる逮捕案件を公表している。

日本レコード協会の発表によると、山形県の男性(41歳)がファイル共有ソフトShareを使用し、権利者に無断で楽曲をアップロードしていたとして逮捕されたほか、香川県の男性(42歳)についても、Shareを使用し権利者に無断でビデオクリップの映像をアップロードしていたとして逮捕されている。

また、一般社団法人 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)では、1月に行った「ファイル共有ソフトの利用実態調査(クローリング調査)」の結果を発表している。Winnyに接続しているノードが1日あたり約2万台(2012年3月調査では3.4万台)、Shareが約5.9万台(同9.2万台)、PerfectDarkに接続しているノードが1日あたり約3.4万台(同4.9万台)、という結果で、調査対象のWinny、Share、PerfectDarkのいずれも大きく減少している。

特に、2012年10月1日の違法ダウンロードの刑事罰付加に関する改正著作権法の施行によって、ノード数が大きく減少しているという。

これらのファイル共有ソフトにあるコンテンツがすべて違法なものというわけではないが、ACCSの利用実態調査では、Winny上で流通するファイル全体の43%、Shareでは49%、Perfect Darkでは61%が著作物で、その9割以上が違法に送信されていると推定している。

WinyとShareの2007年からの推移(発表資料より)

Winny、Share、PerfectDarkの2012年9月からの推移(発表資料より)