富士経済は、2012年9月から12月にかけて、リモート監視サービス市場4分野(家庭向け、ビル向け、商業店舗向け、工場・プラント・その他向け)と、リモート監視を実現するためのハードウェア市場4分野(映像系、計測・表示系、制御・監視系、モジュール・デバイス&通信)を対象に調査・分析し、その結果を報告書「2013 リモート監視関連市場徹底総調査」にまとめ発表した。

「2013 リモート監視関連市場徹底総調査」報告書

リモート監視は故障対応や予防保全から始まり、セキュリティなどの無人監視システムとして普及してきた。同関連市場は、4分野19品目のサービス市場と4分野33品目のハードウェア市場を合算したリモート監視関連市場は、2012年に1兆5,609億円が見込まれ、2015年には1兆7,771億円が予測されるという。

近年では、エネルギー管理を対象としたリモート監視への関心が高まっており、サービスではEMS(エネルギーマネジメントシステム)とリンクさせた省エネサービスが拡大している。ハードウェアではスマートメータやHEMSコントローラが伸び、通信モジュールでは、新規格無線の対応製品登場により、高速化や伝送範囲の広域化、省電力化が図られている。

クラウドサービスの普及、ハードウェアにおけるネットワーク対応製品の拡充、通信モジュールの多様化、通信規格のオープン化など、通信環境の整備により機器とのネットワーク構築が容易になったことと、映像情報の収集などで監視/制御レベルの高度化が進んだことにより、リモート監視サービスとして提供可能なアプリケーションが広がっているという。

そのため、今後のリモート監視は、現在のメンテナンスや省エネなどの特定の目的に対して必要な情報を機器から吸い上げ、分析や制御などを行うサービスの提供に留まらず、ビッグデータの収集や分析によるアプリケーションの創出やマーケティング戦略の立案などのソリューションビジネスとして変貌を遂げようとしている。

クラウドサービスの普及で活性化するサービス市場と市場の見込み、予測は次のとおり。

サービス 2012年見込 2015年予測 サービス対象
家庭向け 1,026億円 1,248億円(11年比30.4%増) 防犯・防災、都市ガス監視、在宅健康管理など
ビル向け 7,983億円 8,482億円(11年比9.0%増) エレベータ監視、防犯・防災監視など
商業店舗向け 125億円 124億円(11年比1.6%増) 売上管理、冷凍・冷蔵ショーケース監視など
工場・プラント向け 2,022億円 2,327億円(11年比21.2%増) 生産管理、ボイラ監視など