大日本印刷(以下、DNP)は10月11日、スマートポスターを活用したO2O(オンラインtoオフライン)プラットフォームサービス「TAPLINK(タップリンク)」を開発し、DNPグループの丸善とジュンク堂書店にて2012年11月よりリアルとバーチャルとを連携させた実証実験を開始すると発表した。
スマートポスターは、NFCフォーラムで規定されたアプリケーションで、NFCタグを貼付したポスターやPOPなどに、生活者がNFC搭載スマートフォンをタッチすることで関連情報を配信できる仕組みになっている。一般的なスマートポスターは、NFCタグ内に書き込まれたWebサイトのURLや電話番号、メールアドレスなどをスマートフォンで読み取り、各種サービスを提供しているが、NFCタグに書き込まれた内容を変更する場合、タグ内の情報を書き換える必要があり、運用や管理が非常に煩雑だった。
今回開発された「TAPLINK」は、スマートポスターの設置場所やアクセス時間に応じて、ポスターごとに情報を切り替えて配信することができ、クーポンや動画コンテンツなど、企業が生活者に告知したい情報を最適な条件で提供することが可能となる。
DNPが運用するデータセンターで、NFCタグ内の情報を一元管理するため、いつ、どこで、どのくらいスマートポスターが利用されたかなどのデータ分析ができる。また、ASPとして提供するため、各企業は配信するコンテンツを準備するだけで運用を開始ができ、サービス導入期間を大幅に短縮する。
さらに、DNPにて書き換え禁止処理を施したNFCタグを活用することにより、第三者による改ざんを防止し安全なサービス提供ができ、店舗への誘導だけでなく、ポスターやPOPなどの店頭ツールと情報サービスを連動させた、新しいプロモーションを展開することができる。
2012年11月から開始される実証実験では、「店内の販促メディアとTAPLINKとを連動させた各種サービス提供において、書籍の書評や関連プロモーション情報の配信」、「店外のスマートポスターをオンラインショップやリアルショップの入口とした各種サービス提供において、 ポスターから電子書籍と紙の書籍とを販売するハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」への誘導、現在地からリアル店舗(丸善、ジュンク堂書店)への歩行者用ナビゲーション」を実施する。DNPでは、本取り組みを通して、書店メディアへのTAPLINKの採用を目指す。
DNPは今後、NFC搭載スマートフォンでの決済やクーポン、ポイントなどに対応したアプリの一元管理や、これらに関わる業務を総合的に支援するDNPのサービス「モバイルWallet」とTAPLINKとの連携を進め、企業と生活者とのコミュニケーションを活性化させるソリューションを提供。NFCモジュールや端末の開発など、認証技術を活かしたNFC搭載スマートフォンのサービスを積極的に開発し、NFC市場の活性化を推進していく。