セコムは7月10日から7月12日にかけて、創立50周年記念イベントとして「ALL SECOM 『セコムフェア2012』」を東京・グランドプリンスホテル新高輪で開催する。イベントでは、日本初の警備保障会社として発足以来培ってきたノウハウや技術を一堂に公開される。

初日の10日に開催されたオープニングセレモニーでは、代表取締役社長の前田修司氏が、「セキュリティビジネス」という定義を超えた「社会システム産業」の確立をビジョンとして標榜した。このビジョンと「安全・安心」という理念に沿い、同イベントではトータルソリューションを提案する「Future Zone」と事業別の「Presentation Zone」にてシステムやサービスが展示された。

AR技術を用いたショーで飛行船による自動情報収集・提示システムを体験

会場奥にある「Future Zone」では、8角形のスペース内で約10分間のショーと要素技術を体験することができる。区画8面のうち3面には、位置情報を映し出したマップや災害時を想定した映像が投写され、壇上での実演とともに、AR技術を用いて飛行船が映し出され、災害時の自動情報収集・提示技術が紹介された。

同技術は情報発信手段を失った特定の人物を上空からその位置を確認し、当該人物のみに避難経路や手段に関する情報をピンポイントで発信するというもの。この要素技術は、実際にエリア内で体験することが可能で、数十センチの区画に入った場合にのみ、頭上から音声情報を確認することができる。

「ALL SECOM ステージ」で7つの事業セグメントを紹介

Future ZoneでのAR技術を利用したショーや要素技術を体験

顔認識・行動追跡技術で異常時を瞬時に発見

「Presentation Zone」では、「セキュリティ」「防災」「メディカル」「保険」「地理情報サービス」「BCP・情報」「不動産」の7セグメントごとにシステムやサービスが紹介されている。

入口付近の「セキュリティ」ゾーンでは、「ウォークスルー顔認証システム」を使った監視映像がモニターに映し出されていた。モニターでは、事前に認証されている顔との一致性を判別するほか、立ち入り禁止区画への侵入者を特定する様子を確認することができる。また、同認証技術や「インテリジェント非常通報システム」、監視カメラ「SECOM AX」を組み合わせた「最先端アクセスコントロールシステム」として、入退室管理のシミュレーションが演示された。

シミュレーションでは、事前に登録した顔と実際に入室する顔を照合したうえでドアのロックを解除する様子や、横に倒れた際、カメラがその人物の様態変化ととらえコントロールセンターに緊急性を伝える様子などが紹介された。こうした技術は、データセンターなどにおける外部からの進入防止や社員の安全を確保する緊急初動対応などに応用できるという。

認証済の顔や侵入者を判別

最先端アクセスコントロールシステム

ウォークスルー顔認証システムで人物の一致を確認

また「BCP・情報系」ゾーンでは、サイバー攻撃や自然災害などに備えたBCP対策として、電子データ保管サービスを展示。同サービスは、FTPやNASなど柔軟なデータの預け入れ方法に対応しており、暗号化したうえでデータセンターに保管するとともに、さらに別なバックアップセンターで管理しているという。

こうした管理方法とともに、24時間365日の運用監視とコンサルティング、システム開発などを一元化したトータルソリューションは、トータル・セキュアサービスとして確立。10月からは、同社と日本IBMが事業提携し、ネットワークから施設まで一括監視していく。

BCP・情報セグメントのブースではトータル・セキュアサービスを紹介