ある意味、"歴史的"な出来事かもしれない - 米Microsoftが米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書(Form 10-K)において、米Red Hatと英Canonicalを同社の「クライアントビジネスにおける競争相手として認識している」と明記していたことが明らかになった。

報告書では、クライアントビジネスの「競争相手(Competition)」において、「確たる力をもった企業との激しい競争にさらされている」と書かれており、具体的な企業名として「Apple、Canonical(Ubuntuのサポート企業)、Red Hat」を挙げている。そしてLinuxについて、「確実に市場に受け容れられており、とくにコストの低減や新しいタイプの低価格PC(ネットブックのこと)の採用を図るOEM企業の支持を得ている」と分析、「Hewlett-PackardやIntelといった当社のパートナー企業も、Linux OSとの協業に積極的に動いている」としている。

Microsoftはこれまで、サーバビジネスにおいてRed Hatと「競合する部分がある」と指摘したことはあったが、クライアントビジネスにおいてLinuxを"競争相手"と明記したことは一度もなかった。10年前、Linuxの脅威とその対策について書かれた同社の内部資料「ハロウィン文書」が公けになったときも、その出所は認めたものの、Linuxをビジネス上の競合と認めたことはない。それだけに、今回の"ライバル認定"を聞いたOSS関係者やアナリストからは驚きの声が上がっている。

背景には、Linuxの採用が進むネットブックの爆発的な普及があることは否めない。報告書はさらに、Windows OSは現在、「トラディショナルなPCの需要を低減しかねないプラットフォームやデバイスとの激しい競争にもさらされている」「モバイルデバイスとそのユーザ数は、PCのそれに比較して、世界的に伸びている」と続いており、ネットブックやその他のモバイルデバイスによる脅威をはっきりと認識していることが伺える。

また、クライアントビジネスにおける別の脅威として、Webブラウザを擁する「Apple、Google、Mozilla、Opera Software」なども競合企業としており、「OEM企業はGoogle Androidとモバイルデバイスやネットブックとの親和性をより高めようとしているようだ」とも書かれている。