世間を騒がせたネット事件の詳細について、裁判の傍聴を通じてお伝えする「ネット事件、その後」シリーズ。4月17日に掲載した『ネット事件、その後 - 勤務先サーバから顧客情報を不正入手した男 - 裁判傍聴』の第2弾レポートとなる「判決」編をお伝えしよう(事件概要については「裁判傍聴」編をご参照ください)。

14日に開かれた初公判では、元勤務先サーバから不正に個人情報を入手した被告人(男・28歳)に対し、検察側から懲役6カ月が求刑された。検察は、被告人は個人情報の売買による借金返済を考え、計画的な犯行に及んだとし、「成功報酬目的で行ったものであり、酌量の余地はない」と主張。弁護側は「流出した情報はメールアドレス以外にリアルなものではなく、バーチャルなもの」などとして執行猶予を求めていた。22日に行なわれた公判では、どのような判決が下されたのだろうか。

母親が被告人を「支える」との証言も考慮、執行猶予に

判決公判で、裁判長は被告人に対し、懲役6カ月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。裁判長は量刑の理由について「犯行は利欲的な行為であり、酌量すべきではない。また、巧妙でありIT関連企業に勤務する者としてあるまじき行為」などとし、「高度情報通信社会の発展を阻害するものであり、軽くみるべきではない」と発言した。

「しかしながら、犯行を認め反省していること、流出させた情報がそれ以上拡大しないようにデータを渡した友人に協力を申し出るなどしている点や、勤務先から解雇、報道もされていること、証人尋問で母親は今後被告人を支えると証言したことなども考慮し、刑の執行猶予をすることにした」と述べ、3年間の執行猶予とした理由を説明した。

公判の最後に裁判長は、「インターネット社会の中核にいた人間として恥ずべき行為をしたということを心に刻み込み、民事訴訟には誠実に対応してください」と被告人に述べ、閉廷した。