SAPジャパンは10日、SCM(Supply Chain Management)ソフトの最新版「SAP Supply Chain Management 2007」(以下SCM 2007)、および新製品である輸送管理ソフトウェア「SAP Transportation Management 6.0」(以下TM 6.0)を発表した。提供開始は4月末。

SCM 2007は、ビジネスパートナーと協業を結びながらグルーバルで展開する企業支援をポイントに、既存機能である計画ツールや実行管理・監視ツールの機能強化に加え、企業間協業モデルの可視化や情報連携などの協業支援機能を強化した。また、SOA(Service Oriented Architecture)に対応。グローバルにまたがる協業先とXMLベースの標準システム連携により情報を共有でき、システムを整備していないサプライヤとはWebベースの需要・在庫・補充計画の情報連携が可能。

SCM 2007の協業支援機能は以下の通り。

  • 顧客/サプライヤ/製造委託先などビジネスパートナーとの協業における需要/生産/補充/供給などの情報共有と連携
  • Webベース請求や製品設計変更などの情報連携を迅速化する機能
  • 製造委託/VMI/SMIなど複数の協業シナリオを提供し、サプライチェーンに必要な協業モデルを構築可能
  • 計画ツール(SAP APO)マスタを共有化でき、協業先との計画業務における精度の一致とマスタ管理の煩雑さを解消

なお、SCM 2007はSAP Business Suiteの主要構成要素にあたる。

一方のTM 6.0は、グローバルサプライチェーンにおける複合一貫輸送における企業間の協業プロセスを管理し、輸送コスト、品質、納期の把握とドアツードアの輸送進捗の可視化を支援する。

複合一貫輸送では複数の物流会社が関わるため、複数発生する伝票の管理や出荷拠点ごとの輸送手配による物流効率の悪化が課題だ。

TM 6.0貨物の輸送コスト、品質、納期を管理し、輸送の進捗状況を可視化して国際物流における業務の効率化を実現する。

SAP TM 6.0の主な機能 は以下の通り。

  • 陸上・海上・航空・鉄道などマルチモーダルによる複合一貫輸送管理
  • 企業間・部門間をまたがる各種伝票(S/IやB/L、AWB、HBLなど)をシステム内で連携させ、輸送オーダー管理、輸送経路決定、配車・輸送手段手配、業者選定、本船/航空予約、請求と下払い決済など、輸送業務を網羅的に支援し、情報の整合性確保と進捗状況の把握が可能
  • 輸送量に対する輸送ルート/配車/業者選定において最適な輸送手段を自動提案し、積載率の向上を支援
  • EDIFACTなど各種標準のインタフェースにより、荷主企業と物流企業・物流企業間のインタフェースにおける複雑性を解消
  • SAP EPRの入出荷機能や財務会計機能とのインタフェースにより、物流業務を基幹システムの一部として有機的に連携