業務アプリケーション大手の独SAPは4月24日、米ジョージア州アトランタで開催中のユーザーカンファレンス「SAPPHIRE 07 Atlanta」にて、米Microsoftと共同開発した両社製品の連携ツール「Duet」の今後の開発ロードマップを明らかにした。2008年末にリリース予定の次期Duetでは、「Microsoft Office」とSAPのERPに加え、SCM、CRMとの連携も可能になるという。

Duetは、SAPとMicrosoftが共同開発したソフトウェアで、「Microsoft Outlook」などのOffice製品と「SAP ERP 2005」の連携を可能にするもの。これにより、Officeアプリケーション上でSAP ERPの機能やデータにアクセスできるようになる。

両社はDuetを2005年に発表、2006年6月にリリースしている。SAPによると、リリースから1年未満で、すでに250社以上の顧客を集めたという。

今回SAPはMicrosoftと共にDuetの開発ロードマップを発表、今後ERP以外のSAPのビジネスシナリオ/プラットフォーム機能に対応し、開発ツールも拡充していくという。

具体的には、CRM、SCMなどのERP以外のビジネスシナリオをサポートする。たとえば、営業担当者はOfficeから「SAP CRM」の機能にアクセスし、見込み客情報や販売管理などのビジネスシナリオを利用できるという。このほかにも、SAPがGRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)として提供している法規制遵守やリスク管理分野の機能も一部サポートされる予定だ。

プラットフォームでは、Microsoftの「Microsoft Office SharePoint Server」に対応することで、非構造化データやプロセス、コラボレーションもサポートする。「SAP Business Suite」と組み合わせることで、ユーザー、プロセス、情報を効果的に結合でき、作業を合理化できるという。

ツール群の強化では、ビジネスシナリオを新たに作成したり、カスタマイズしたりすることができるツールを提供する。これにより、既存のDuetシナリオを利用したり、新シナリオを構築したりして、自社のビジネスニーズを容易に満たせるようになるとしている。

SAPによると、今年後半に現行バージョンの強化版となる「Duet 1.5」をリリース。次期版となる「Duet 2.0」は2008年末での提供を見込んでいるという。両社はその後、Officeの最新バージョンが出揃った後に「Duet 3.0」をリリースする計画だ。