景気の善し悪しに左右されることなく、常に一定の需要があるのが簿記資格です。
経理・会計職に就きたいと願う方はもちろん、就職や転職の際のアピールポイントとして、簿記の取得を目指す方が数多くいます。
今回は、簿記の資格を取得したい!と勉強法を模索した皆さんが、真っ先に思いつくであろう「独学」にスポットを当ててお届けします。
「簿記の勉強を独学でしたいけれど、ちゃんと合格できるか不安……」
「独学するときに、おすすめのテキストはどれだろう?」
簿記は独学で合格できるかどうかの真相と、独学におすすめの勉強法、おすすめテキスト4シリーズをご紹介します。
独学を躊躇している方も、最後までご覧いただくことで、独学で簿記検定に挑戦しようかしまいか、ある程度気持ちが固められるはずです。
当サイトに掲載している簿記の通信講座についての記事とあわせて、ぜひご一読ください。
→簿記におすすめのオンライン通信講座9選と失敗しない選び方の記事はこちら
簿記とは ~どんな資格?~
簿記を簡単にいえば、「企業が行うお金やモノのやり取り(取引)を記録するための技術」のことで、企業における日々の取引を帳簿に記帳し、会計期間の終わりには財務諸表(決算書)を作成する一連の作業が簿記の仕事です。
簿記のしくみや流れを理解すると、決算の際に作成される財務諸表(決算書)が読めるようになり、会社が上げた利益や、会社の財産がどのくらいあるのかがわかるようになるため、経営者であれば会社の経営判断に、営業担当者であれば取引先企業の状況判断にと、あらゆる業務で活用できます。
また、その汎用性の高さから、企業が採用の際に重視する応募者の保有資格でもあり、これから就職・転職活動を控えている方にとって、簿記は大きなアピールの材料となる資格です。
このように、ビジネスにおいて広く役立つ簿記は、全てのビジネスパーソンにとってメリットが大きく、推奨されるべき資格といえるでしょう。
日本には、数種の団体が主催する簿記検定試験がありますが、ここではもっとも受験者数が多く、知名度が高い「日商簿記検定」についての内容をお届けします。
簿記は独学でも合格できる?
ここからは、「簿記は独学でも合格できるのか?」という疑問にお答えします。
検定級ごとに解説しているため、ご自身が取得したい検定級の内容を参考にご覧ください。
簿記3級の合格に独学は可能かどうか
先に結論から申し上げますと、日商簿記3級は独学で合格できます。
なぜなら簿記3級は、いわゆる簿記の入門編のような位置付けであり、簿記のしくみや勘定科目といった基礎的な知識から学べる比較的難易度の低い検定試験だからです。
合格率においても過去3年間は、ほぼ40~50%の間で推移しており、決して一般的に難しいといわれるレベルの検定試験ではありません。
実際、合格者の約80%は独学者が占めるとされているため、きちんとした方法で試験勉強に励み、対策をして臨めば、おのずと結果がついてくる検定試験といえます。
とはいえ、「簿記3級の試験をなめてた……」という声もあるように、いい加減・生半可な試験勉強で挑んでも結果を出せない試験であることは、どうぞ心に留め置いてください。
3級では商業簿記といって、卸売業や小売業のような外部から仕入れた商品をそのまま外部へと販売する、商業経営に必須のベーシックな簿記を学びます。
ここで学ぶ基礎は非常に重要であり、3級でしっかり基礎固めをしておくと、のちのち2級・1級とステップアップしていく際スムーズに上位級の試験勉強へとギアチェンジできるため、ぜひ丸暗記などに頼らず「理解すること」を軸に学習を進めていきましょう。
- 3級に独学で合格することは可能。
- 合格者の8割が独学者であり、全受験者の大半が独学で挑戦する試験。
- ただし、いい加減な試験勉強で挑んでも、合格できない。正しい方法で、しっかり勉強をして臨むことが大切。
簿記2級の合格に独学は可能かどうか
では、日商簿記2級に独学で合格することは可能でしょうか?
答えはYESでもありNOでもあります。
簿記2級は、3級で学習した商業簿記の知識をベースに、より高度な商業簿記と、新たに加わる工業簿記をマスターすることで、財務諸表から経営内容を把握し、企業活動における適切な会計処理や分析が行えるようになる資格です。
工業簿記が加わることで、3級の試験よりも学習範囲が広く、さらに学問として、より深くまで学ぶようになるため、3級と比較して難易度が上がり、一般的に難しいといわれる検定試験に分類されます。
過去3年間の合格率を見ても、おおよそ20~25%の間で推移しており、割合として4~5人に1人しか合格できないことを考えると、簿記2級は、適切な方法で勉強し、しっかり準備しておくべき試験であることが伺えるでしょう。
また、近年簿記2級の試験そのものの難化が進んでおり、従来1級範囲に該当していた、連結会計やその解法であるタイムテーブルが試験解説に取り上げられるなど、難易度が年々右肩上がりに高くなっている傾向です。
したがって、簿記2級の独学をおすすめできる受験者は、もともと仕事や学校で簿記を学んだ経験がある方や、効率のいい学習が得意な方、最新の情報に敏感な試験勉強に慣れた方など、簿記の予備知識がある、または理解力や応用力、考察力に優れた方ということになります。
一方、簿記をはじめて学ぶ方や試験勉強に慣れていない方は、独学ではなく、簿記の概念から試験対策までを教え導いてくれる、通信講座や資格スクールを選択して学習したほうが、効率よく確実に合格まで辿り着けるでしょう。
ご自身が持ち合わせる、簿記についてのベースとなる知識や試験への対策能力を鑑みて、独学にするか、通信講座や資格スクールを受講するか判断してください。
- 2級は独学で合格するには、やや難しい試験。
- 2級の独学をおすすめできる方の特徴は「簿記の予備知識がある方」「効率のいい学習が得意な方」「試験勉強に慣れている方」。
- 2級試験の難化が進んでいるため、余裕があれば通信講座や資格スクールの受講を検討したほうが、効率よく合格できる可能性が高い。
簿記1級の合格に独学は可能かどうか
最後に、日商簿記1級に独学で合格することは可能かどうかについてですが、答えは「限りなく不可能に近い」です。
そもそも、簿記1級の試験勉強に独学を選択する方の割合が非常に低く、ほとんどの受験生が資格スクール、もしくは通信講座を受講する傾向にあります。
裏を返せば、それだけ厳しい、難しい試験であるといえるでしょう。
以下に、簿記1級の独学による合格が難しい理由を、4つ挙げてみます。
学習範囲が広い
簿記1級の学習は「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」と、4つの科目で構成されています。
2級の学習が商業簿記と工業簿記から成り立っていたため、さらに2科目分学習のウェイトが上がることになり、この学習範囲の広さは、インプット・アウトプットにかかる時間にそのまま比例します。
簿記1級に必要な勉強時間は500~1000時間といわれており、期間にならすと週に20時間の勉強を約6ヶ月~1年ほど継続しなければ到達できません。
つまり、長期におよぶ試験勉強のネックとなる「以前学習した内容を忘れてしまう」という事態に陥りかねないということです。
そのため、いかに適切な勉強法で、効率よく学習を進めていくかが、大きな課題となります。
ライバルのレベルが高い
簿記1級の合格率は、平均10%前後です。
2級の合格率が20~25%ほどであるため、1級の検定試験で勝ち抜くには、さらにぎゅっと狭き門になるといえるでしょう。
この1級検定試験、実は合格者の半数近くが公認会計士試験の受験生であるともいわれているのが特徴です。
言わずと知れた公認会計士ですが、簿記1級のさらに上位にあたる難関国家資格であり、日商簿記1級はその登竜門として認知されています。
その公認会計士の受験生が、本命である公認会計士試験に挑む前に、計算科目の練習や腕試しとして、簿記1級を受験するケースが多いようです。
また、簿記1級試験は、受験者の成績上位をすくい取る、相対評価の試験でもあるため、なんとか上位10%に滑り込まなければならない、といった特殊な事情を持っています。
そのため、簿記1級の試験では、公認会計士などの上位資格の取得に励む、レベルの高いライバルと、しのぎを削って争わなければなりません。
丸暗記では太刀打ちできない
簿記1級の出題範囲に新たに加わる「会計学」という科目は、試験範囲こそ商業簿記とほぼ同じですが、会計学では計算だけでなく、理論を中心に問われるということと、狭く深く理解を問われるということが商業簿記と大きく異なります。
理論問題は、言葉や内容の意味を理解し、その理由を説明できるように勉強しておかなければなりません。
「なぜこういった会計基準があるのか」という理論そのものを、深く考察し理解する勉強が必要です。
条文などを暗記すれば正解できそうに思い、つい丸暗記に逃げてしまいたくなりますが、それでは、少しひねりの効いた問題が出題された場合にはまったく歯が立たず、対策を取っていれば解ける問題なのに、やすやすと捨てなければならない状況に直面するかもしれません。
会計学は、範囲自体がそれほど多くないため、満点を目指せるように確実な理解を意識して、試験勉強に取り組みましょう。
足切りルールが存在する
簿記1級の試験には、2級・3級の試験には存在しなかった「足切りルール」が存在します。
どういうルールかというと、1科目における獲得点数が40%未満のものがあった場合、仮に全体で70点以上を取れていたとしても、合格できないというルールです。
1級の試験では「商業簿記」「会計学」「工業簿記」「原価計算」の4科目それぞれに対し、配点として25点が割り当てられていますが、合格するためには、この4科目100点満点中、70点以上を獲得する必要があります。
ところが、ここに足切りルールが適用されることにより、ひとつでも10点未満の科目があると、たとえ4科目合計で70点以上の点数が取れていたとしても不合格です。
全体として満遍なく、基準点を上回る点数が取れるよう意識して、勉強に励みましょう。
- 1級は独学で合格するには、困難を極める試験。
- 学習範囲・学習内容・検定水準や検定ルール、すべてにおいてハイレベルである。
- 2級・3級とは異なり、ほとんどの受験生が、資格スクールや通信講座を受講して合格を成し遂げるため、はじめから独学を選択しないほうが無難。
簿記におすすめの独学勉強法
ここからは、簿記を学ぶのにおすすめの独学勉強法をご紹介します。
すでにテキストや問題集が準備でき、試験日から逆算したおおよその学習スケジュールが立った状態であることを仮定して、具体的な学習法を解説していきます。
テキストを一通り読む(そして繰り返す)
まずは、テキスト全体に一度目を通し、簿記のしくみや概念を確認します。
ただし、この最初のターンで、テキストの内容を完全に理解し、覚えることを目標にする必要はありません。
あくまでも、試験日までに理解と記憶が伴っていることが目的であるため、ゴールとなる試験日までの期間中、テキストに書かれた内容を、繰り返し何周も読む、反復学習を継続的に行います。
そのため、テキストは、何度も繰り返し読み返すことを想定して、サクサク読み進めていきましょう。
わからない箇所・難しい箇所があっても読み流し、立ち止まらずそのまま読み進めてください。
そして、一巡目で簿記の全体像をある程度捉えるように流し読みできたら、二巡目では、そこからより詳細な情報を確認するように読み込んでいきます。
こうして、一巡、二巡、三巡と、テキスト読みを何周も繰り返し、理解と記憶のレベルを引き上げましょう。
早い段階から、問題演習を積極的に行う
テキストを一通り読み進められたら、すぐに問題演習に取りかかりましょう。
記憶の定着率を上げるためには、「実際に記憶を辿り、思い出して外に放つ」この一連のアウトプット作業が非常に有効です。
そのため、問題演習によるアウトプット学習は、テキストを通したインプット学習をさっと済ませたら、すぐにスタートさせましょう。
勉強に大切な、インプットとアウトプットの理想的な比率は、3:7といわれています。
暗記にかける時間を3割、問題演習にかける時間を7割で勉強を構成するのが、一番結果につながる比率とされているため、たとえば、テキストを読むインプット学習を30分行ったら、問題集を解くアウトプット学習を70分行うというように、インプットよりもアウトプットに力を入れて、勉強に取り組みましょう。
そして、アウトプットの最中にわからない箇所が出てきたり、気になる箇所があったりすれば、その都度テキストに戻って、一回一回内容を確認します。
テキストに立ち戻るたびに、理解を積み上げ、わからない箇所を潰していきましょう。
問題集とテキストを往復するうちに、以前テキストを読んだだけではわからなかった内容が、次第に理解できるようになっていきます。
問題集を解いて、解説を読んで、テキストを読み返して、とひとつの論点・問題をさまざまな角度から捉えることで、理解と知識の向上が図れるためです。
また、早い段階で問題演習をするのには、もうひとつ利点があります。
それは、試験で問われる重要項目を把握できるということです。
ただただ、テキストを漫然と読むだけでは、試験に出題され得る大事なポイントはわかりませんが、はじめの段階から過去問などの演習を積極的に行っておくことで、テキストを読んだときに、問われるであろう重要箇所を掴めるようになっていきます。
テキストを読んだときに、絶対に覚えておくべき内容、そこそこ覚えておけばいい内容、あまり覚えなくていい内容と、重要度ごとに濃淡を付けた勉強ができるよう、問題演習を通したアウトプット学習を積極的に実践していきましょう。
直前期には、予想問題を繰り返し解く
受験直前期は、模擬試験や予想問題などの実践形式の問題を解くことにシフトしていきましょう。
より実践的な問題に触れることで、本番での時間配分や問題形式に慣れることができます。
試験対策において、この「慣れる」という感覚はとても大切です。
学力そのものは十分あるのに、試験本番では力を出せなかった、というのはよくある話ですが、ひょっとすると、ここには試験に対する慣れの対策が、しっかり取れていなかった可能性が潜んでいます。
試験会場では緊張しますし、不安も伴うため、雰囲気にのまれないように、平常心を保たなければなりません。
このようにメンタルに負荷がかかったとき、出題形式に慣れていたり、試験における時間感覚に慣れていたり、問題を見たときに解法や答えを導き出すことに慣れていたりすると、試験をスムーズに進める上で、非常に大きなアドバンテージとなります。
本番の試験で、持てる力を最大限発揮させるために、基礎的な知識が習得できたら、あとは「慣れる」ことを意識して、実践形式の予想問題や過去問による問題演習を積極的に行いましょう。
そしてここでも、知識の不足や抜けがあれば、テキストに立ち戻るということを忘れないでください。
簿記の勉強におすすめ!~テキスト4選~
ここからは、簿記の勉強におすすめできるテキストを4つご紹介します。
検定級ごとではなく、シリーズごとにテキストの傾向や特徴をまとめました。
独学者にとってテキストは、試験を共に勝ち抜く心強いパートナーとなるため、自分に合ったテキストを、よく吟味して選びましょう。
スッキリわかるシリーズ
はじめにご紹介するのは、かわいいキャラクターとポップで見やすい図表が印象的な『スッキリわかる』シリーズです。
こちらの簿記3級版テキストは、Amazonベストセラーで常に上位を獲得しています。
かわいいイラストとわかりやすい表現により、読み飽きない工夫が凝らされた、初学者でも取っつきやすい一冊です。
また、参考書でありながら、問題集や過去問までが一体型で、豊富な演習量を確保できることに加え、本試験形式のチェックテストでは、解き方解説の講義動画が無料で視聴できるといった特典も付いています。
講義動画を視聴したい方は、ぜひ出版社の公式サイトへアクセスしてみましょう。
さらに、本書にはネット試験を体験できる模擬試験プログラムも付帯されているため、ネット受験に挑戦してみたいと思っている方にもおすすめです。
本体は、A5サイズとコンパクトなため持ち運びに便利で、出先での空き時間にテキストを読み返す、いわゆるスキマ学習にも十分対応できます。
ただ、要点を押さえすっきりとまとめられたコンテンツは、裏を返せば、情報量の少なさ、網羅し切れていないという残念な特徴ともなり、1級など上位級の試験対策には不向きといえるかもしれません。
簿記の学習に慣れていない方が、アレルギーを起こすことなく、楽しく勉強を進めるのに適したシリーズといえるでしょう。
- かわいいイラストと見やすい図表で、初学者にもわかりやすい。
- 問題演習量が豊富で、アウトプットをたくさんしたい方におすすめ。
- 出版社の公式サイトにアクセスすることにより、解き方解説の講義が視聴できる。
- ネット試験対応の模擬試験プログラム付き。
- A5サイズで持ち運びに便利。
- 情報量が少なく、1級など上位級を目指す方には物足りない。
よくわかるシリーズ
次にご紹介するのは、TAC出版が刊行している『よくわかる』シリーズです。
イラストや図解などが多用されず、とにかくシンプルでプレーンな、ザ・参考書!といった装丁のテキストですが、その分情報のボリュームはピカイチで、本試験で出題され得るハイレベルな問題にも対応できるような演習や解説が充実しています。
例題数も多く、解法がしっかりと解説されている反面、やや説明文が難解であること、イラストなどビジュアル面に訴えるコンテンツが少なく、簿記の初学者には勉強のイメージが掴みにくいことなどが、よくわかるシリーズを使用する際のデメリットです。
また、テキストサイズはB5と持ち歩くには少し大きめで、移動中の電車内などで、テキストを広げるのは少々難しいかもしれません。
とにかく楽しく学びたい、と願う簿記の初心者には不向きですが、多くの情報を必要とする1級試験など、上位級を目指す方にはおすすめできる一冊です。
辞書的な使い方のできる、サブ参考書として所有するのもいいでしょう。
『スッキリわかるシリーズ』とは、対極にあるテキストです。
- シンプル・プレーンな飾り気のないテキスト。
- 情報量が多く、ハイレベルな問題にも対応できる例題や解説が充実。
- 解説がやや難解。
- イラストや図解があまりなく、初学者の簿記イメージをアシストするコンテンツが不足している。
- B5サイズと簿記テキストのなかではやや大きめ。
- 1級など上位級を目指す方、サブテキストを持ちたい方におすすめ。
みんなが欲しかった!簿記の教科書シリーズ
『みんなが欲しかった!簿記の教科書』シリーズの特徴は、何といっても『スッキリわかるシリーズ』の楽しく読みやすい取っつきやすさと『よくわかるシリーズ』の例題や解説など情報量の充実ぶりという、二冊の利点を組み合わせた、いいとこどりのテキストであるという点です。
オールフルカラーで、かわいく、ほどよい量のイラストで展開される解説は、教室講義の板書を再現しており、文字だけの説明ではイメージしにくい内容も、すんなり理解できるよう工夫されています。
また、論点ごとの演習問題量も多く、しっかりとアウトプット量を確保できること、スッキリわかるシリーズよりも補足説明など情報量が多いことなども魅力で、たくさん問題演習をこなしたい方、少し詳細な部分まで学習したい方におすすめできるテキストです。
本体はA5サイズと、持ち運びに便利なコンパクトサイズで、出先でのスキマ学習にも活用できます。
全体的にバランスがとれた、簿記学習の良書といえるでしょう。
- オールフルカラーで、かわいいイラストが適度に掲載された読みやすいテキスト。
- 教室講義の板書を再現した内容で、初学者にもわかりやすい。
- 演習問題・情報量が多く、たくさん問題を解きたい方、少し詳細な部分まで学びたい方におすすめ。
- A5サイズで持ち運びに便利。
- 全体的にバランスがとれた良書である。
パブロフ流でみんな合格シリーズ
最後は『パブロフ流でみんな合格』シリーズをご紹介します。
かわいい犬のキャラクター、パブロフくんを中心とした登場人物が、取引の流れをコマ漫画で解説してくれるという、ユニークで簿記初学者にも馴染みやすいテキストです。
簿記学習の基礎である、仕訳問題の解法が詳しく掲載されており、書き方をマネするだけでサクサク問題が解けるようになるなど、実践的なテクニックが学べます。
また、練習問題ページに掲載されたQRコードから「著者の解き方動画」にアクセスできるため、具体的にどのように下書きを作成して問題を解いていけばいいのか、手元動画を通してわかるようになるのが魅力です。
ただ、全体的に平易な表現が多用されていること、説明そのものが簡素であることなどの理由により、ハイレベル問題への対応が難しく、過去問や実践形式の問題を解きはじめたときに、ついていけない可能性があるなどの、デメリットも内包しています。
そんなときは、著者のブログ『パブロフくんが日商簿記2級・3級を目指すブログ』から、直接著者へ質問してみるのも一案です。
こちらのブログは、簿記に関する最新情報や受験生に有益な情報、簿記の勉強法などを紹介しており、姉妹コンテンツとして、仕訳問題の演習アプリも提供しています。
『パブロフ流でみんな合格』シリーズは、1級学習への対応こそないものの、2級・3級の勉強にはじめてチャレンジされる方にとって、簿記のイメージや概念から身につけるのに、おすすめできるテキストです。
- かわいい犬のキャラクターパブロフくんを中心に、取引の流れをコマ漫画で解説。
- 平易な表現で構成されているため、初学者にもわかりやすい。
- テキストのQRコードから、解法テクニックを紹介する動画が視聴できる。
- ブログや仕訳問題演習アプリなど、姉妹コンテンツが充実。
- A5サイズで持ち運びに便利。
- 1級には対応しておらず、対象は2級・3級。
- ハイレベル問題への対応は難しいため、サブの参考書があってもいい。
簿記のおすすめブレイクタイム~情報集めや試験勉強の息抜きに~
それでは最後に、試験勉強の合間におすすめできる、ブレイクタイムの過ごし方をご紹介します。
勉強の息抜きにぜひどうぞ。
独学成功者のブログを読んでみよう
いまや、ネットを検索すれば、あらゆる資格の情報があふれており、簿記も例外ではありません。
たとえば、使えない資格とも揶揄される簿記3級ですが、実際には資格を取得して業務に活かしたり、就職活動に成功したりと「使えている」方もたくさんいらっしゃいます。
また、なかには独学が難しいとされる1級や2級を、独学一本で合格された方もいますし、さらに1級の独学合格を、数か月という非常に短期間で達成された切れ者もいるなどさまざまです。
こうした、巷ではあまり聞かないようなあっと驚く成功体験を得ている方はネットの世界には意外とたくさんいらっしゃって、方法論などとともに、その目標達成の過程をブログなどで紹介してくれています。
経験則に基づいた、そっくりそのまま参考にできる方法論は、独学で合格を目指す学習者にとって、とっておきの教本になるでしょう。
したがって、簿記の独学合格を目指すあなたへ向けて、最後におすすめしたいのが「独学成功者のブログを読んでみよう」ということです。
学習スケジュールの組み方や、勉強法、やる気アップのコツなど、実体験に沿ったマネがしやすい試験勉強メソッドの収集として、また、独学のモチベーションを支えるひとつの読みものとして、ぜひお気に入りの1ブログを見つけてみてください。
またブログのほかにも、無料で利用できる簿記独学サイトなどもあり、ネット界隈には楽しく学べる要素が豊富であるため、興味がある方は検索してみるといいかもしれません。
まとめ
簿記は、経理・会計のお仕事に携わる方や、就活生のセールスポイントとしてだけでなく、ビジネスに関わるすべての方にとって利点の多い、仕事に役立つ知識です。
この記事では、簿記は独学による合格が可能かどうか、独学によるおすすめ勉強法、おすすめのテキスト4選を、具体例を交えた解説と共にお届けしました。
簿記学習における独学のイメージが湧き、次の行動に踏み出す一助となれば幸いです。
簿記の勉強に興味がある方は、今回紹介した内容を参考にぜひ日商簿記検定試験にチャレンジしてみてください。
その際にはぜひ、当サイトに掲載している簿記の通信講座についての記事も、あわせてご一読ください。
→簿記におすすめのオンライン通信講座9選と失敗しない選び方の記事はこちら