異音の種類や対処法
蛇口から聞こえる異音にはいくつかの種類があります。
- 「キーン」という甲高い音
- 「ヴ――ン」という振動音
- 「キュイッ」というキツイ音
- 「ドンッ」という響く音
聞こえる異音の種類によってどこに不具合があるのか、どのように対処するのかに違いがあるため、一つずつご紹介していきます。
「キーン」という甲高い音
[異音の原因]
蛇口タイプが単水栓の場合、水を出した際に「キーン」という異音がするなら「コマパッキン」という部品が劣化している可能性があります。
このコマパッキンが経年劣化により変形すると蛇口内部にすきまが生まれ、水を流した際に振動して異音の原因になります。
蛇口タイプが混合水栓の場合は、部品の劣化ではなく水圧が高いことが原因であると考えられます。
[対処法]
〇コマパッキンを交換する
蛇口タイプが単水栓の場合は、劣化したコマパッキンを交換することで異音が改善されます。
部品交換に必要な道具
- 新しいコマパッキン 価格:200円~
- モンキーレンチ 価格:200円~
- ウォーターポンププライヤー 価格:300円~
- ピンセット、ラジオペンチ等 価格:100円~
- ドライバー(プラス、マイナス) 価格:100円~
〜コマパッキンの選び方〜
コマパッキンはホームセンターや通販で買うことができます。
サイズは「呼び径13mm」と「呼び径20mm」の2種類があります。
※呼び径とは、そのパッキンに対応する『蛇口パイプの直径』をあらわした数字のことです。13mm、20mmの2種類があり、「呼び13」「呼び20」と書かれることもあります。
一般家庭であれば「呼び径13mm」でほぼ間違いないでしょう。
ただ、まれに「呼び径20mm」が使われていることもあるので念のため確認することをおすすめします。
・蛇口のメーカーと品番を確認して、WEBで呼び系の情報を見る。
・古いコマパッキンを取り出して、パッキンの直径を測る。
- 止水栓を閉める。
- 水が出ないか確認する。(中の圧力を逃がす)
- ハンドルの上のキャップをマイナスドライバーで外す。
- ハンドルをプラスドライバーで外す。
- モンキーレンチ(またはウォーターポンププライヤー)でハンドル下のナットをゆるめる。
- ナットを取り外す。
- ウォーターポンププライヤーでスピンドルを取り外す。
- ピンセット等で古いコマパッキンを取り出す。
- 新しいコマパッキンを取り付ける。
- スピンドル、ナット、ハンドルを取り付ける。(締めすぎないよう注意)
- 水を流してみて、水漏れしないことを確認したら作業完了。
〇水圧を下げる
水圧が高過ぎるせいで異音がする場合は、止水栓で水量を調整することで改善されます。
止水栓の場所は、キッチンや洗面所であれば台の下にあります。
見当たらない場合は屋外にある元栓を閉めましょう。
ハンドルは手で回せるタイプやマイナスドライバーを使って回すタイプがあり、どちらも時計回りに回せば締めることができます。
使い勝手が悪くならない程度に締めて調節しましょう。
「ヴ――ン」という振動音
[異音の原因]
水を出した際に「ヴ――ン」という異音がなり続けているときに考えられる原因は2つあります。
・シンク下にある蛇腹ホースから鳴っている
水を出したときに蛇腹ホースが振動しているなら、蛇腹ホースが原因です。
しかしこれは故障ではなく、蛇腹ホースだから起こるものなので修理の必要はありません。
・逆止弁の故障
ホースが振動していない場合は、逆止弁が故障している可能性があります。
逆止弁とは、水などの逆流を防ぐための継手で、止水栓の上(吐出し側)に取り付けられています。
[対処法]
〇逆止弁の交換
逆止弁の故障によって異音が発生しているのであれば、逆止弁を交換すれば改善されます。
交換に必要な道具
- モンキーレンチ 価格:200円~
- 新しい逆止弁 価格:1,000円~
- タオル
- 止水栓を閉める。
- 水が出ないか確認する(圧力を逃がす)
- 止水栓(逆止弁)を止めているナットをゆるめる。(水がこぼれるのでタオルをしく)
- 古い逆止弁を取り外す。
- 新しい逆止弁を取り付ける。
- 止水栓を開けて水漏れしないことを確認して完了
「キュイッ」というキツイ音
[異音の原因]
蛇口をひねる際に「キュイッ」「キュキュッ」とキツイ音が鳴ることがあります。
単水栓やツーバルブ水栓の場合は、「スピンドル」という部品の経年劣化が考えられます。
「スピンドル」とは、ハンドルをひねることで上下して、吐水・止水を調整するための部品です。
シングルレバー混合水栓の場合は、「バルブカートリッジ」という部品が劣化していると考えられます。
「バルブカートリッジ」とは、水量や温度を調節するための部品です。
この部品が劣化すると異音がしたりレバーの動きが渋くなったり、最悪の場合は水漏れを起こしたりもします。
[対処法]
〇スピンドルの交換
単水栓やツーバルブ混合水栓の場合は、スピンドルの交換をすることで異音が解消されます。
- 新しいスピンドル 価格:200円~
- 水栓上部(ハンドル・スピンドルセット) 価格:500円~
- モンキーレンチ 価格:200円~
- ウォーターポンププライヤー 価格:300円~
〜スピンドルの選び方〜
スピンドルは、一部のホームセンターでも取り扱いしていますが、すべての蛇口に対応できるわけではありません。
もしホームセンター等で蛇口に合うものがない場合は、ネット等で使用中の蛇口のメーカー、品番(型番)などから合う部品を見つけて取り寄せる事が必要です。
またスピンドルを交換する際に、使用しているハンドルと合わず取り付けられないことがあるので注意しなければいけません。
この場合は、ハンドルもスピンドルのメーカーに合わせたものに交換しなければいけなくなります。
購入するスピンドルが蛇口と別メーカーの物であるなら、スピンドルとハンドルがセットになった「水栓上部」と言われる部品を交換した方が間違いありません。
- 止水栓を閉める。
- 水が出ないか確認する。(中の圧力を逃がす)
- ハンドルの上のキャップをマイナスドライバーで外す。
- ハンドルをプラスドライバーで外す。
- モンキーレンチ(またはウォーターポンププライヤー)でハンドル下のナットをゆるめる。
- ナットを取り外す。
- ウォーターポンププライヤーで古いスピンドルを取り外す。
- 新しいスピンドルを取り付ける。(または水栓上部を取り付ける)
- ナット、ハンドルを取り付ける。
- 止水栓を開け、水漏れがしないかチェックして作業完了。
〇バルブカートリッジの交換
シングルレバー混合水栓の場合は、バルブカートリッジを交換することで異音が解消されます。
- 新しいバルブカートリッジ 価格:2,000円~4,000円
- モンキーレンチ 価格:200円~
- マイナスドライバー 価格:100円~
- 六角レンチ 価格:100円~
〜バルブカートリッジの選び方〜
バルブカートリッジは、メーカーの公式ホームページやネットショップなどで購入することができます。
購入するときはメーカー、型番をしっかり確認して間違えないように気をつけましょう。
型番に合ったバルブカートリッジは、メーカーのホームページで調べることができます。
- 止水栓を閉める。
- レバーにあるキャップをマイナスドライバーで外す。
- 六角レンチでネジをゆるめ、レバーを外す。
- モンキーレンチを使い、カートリッジ押さえを外す。
- 古いバルブカートリッジを取り外す。
- 新しいバルブカートリッジを穴に合わせて乗せる。
- 取り外した部品を外した時と逆順に取り付ける。
- 止水栓を開け、水漏れがないか確認する。
「ドンッ」という響く音
[異音の原因]
蛇口を締めたときに「ドンッ」と建物にひびく衝撃音がする場合は、ウォーターハンマー現象が起きていると考えられます。
ウォーターハンマーには2つの種類があります。
1つ目は、水道管の圧力が急激に変化することで起きるウォーターハンマー現象です。
シングルレバー水栓などで急に水を止めると、流れていた水の運動エネルギーが行き場を失い、水道管の内部に圧力がかかることによって衝撃音が生じます。
2つ目は、水柱分離によるウォーターハンマー現象です。
水を急に止めると止水栓の先で圧力が下がる箇所が生じるため、そこに向かって勢いよく流れ込む水同士がぶつかることによって振動や衝撃音が発生します。
連続していろんな場所から衝撃音が聞こえる場合は、一か所で起こったウォーターハンマー現象が原因で複数のウォーターハンマー現象を引き起こしていて、配管内の水圧が安定していない状態になっています。
この音は蛇口を閉めた場所でだけ発生する異音ではなく、瞬間的に遠くまで伝わり、水道の使用箇所から離れた場所で異音がすることもあります。
水道を使用している家と道路を隔てた隣家で異音が聞こえることもあり、騒音トラブルの原因になることもあるんです。
ただ、音がそれほど気にならない場合は「まあいいや」と放置してしまうことも少なくありません。
しかしウォーターハンマーは排水管からの危険なサインです。
長年にわたって放置していると水道管に負荷がかかり、継手が外れる可能性もあります。
そうなれば、床や壁から大量に水漏れしてしまうので、必ず対処をしましょう。
[対処法]
〇水道の元栓を絞る
一番簡単なのは水道の元栓を絞ることです。
元栓を絞ることにより水道管の中を流れる水の勢いが弱まるので、キッチンや洗面所等で急止水した時の圧力変化が小さくなります。
ただし、調整を間違えるとシャワーの水圧が下がりすぎたり、給湯機が使用できなくなったりと生活に支障が出るので注意しなければいけません。
〇水撃防止器によるウォーターハンマー対策
水撃防止器とは、ハンドルなどの急閉によって発生するウォーターハンマーを内部の特殊緩衝体で緩和ささえる装置のことです。
蛇口のハンドルをこの水撃防止器に付け替えて使用します。
単水栓のようなハンドル式であれば取り付け可能ですが、シングルレバー水栓には取り付けできないので、止水栓のハンドルにつけるという方法があります。
- 水撃防止器(水栓上部型 呼び径13mm)価格:3,000円〜5,000円
- モンキーレンチ 価格:200円~
- ウォーターポンププライヤー 価格:300円~
水撃防止器の設置手順
- 止水栓を閉める。
- ハンドルの上のキャップをマイナスドライバーで外す。
- ハンドルをプラスドライバーで外す。
- モンキーレンチ(またはウォーターポンププライヤー)でハンドル下のナットをゆるめる。
- ナットを取り外す。
- スピンドル、コマパッキンを外す。
- 水撃防止器を取り付ける。
- 止水栓を開けて作業完了。
水道業者の費用相場や注意点
蛇口の修理は内容によっては難しい作業もあり、自信がない方は水道業者に依頼することをおすすめします。
ただ、はじめて利用する場合はどのくらいの費用がかかるかわかりづらいと思うので、費用の相場や依頼する際の注意点をまとめました。
水道業者の費用相場
パッキンを交換する場合
費用は業者によってさまざまですが、5,000〜10,000円程度が相場です。蛇口の種類によっては、相場以上の交換費用が必要かもしれません。
蛇口本体を交換する場合
蛇口本体が古い場合は、本体ごと交換することをおすすめします。
その際の料金は、基本料金が10,000円〜20,000円程度+水道蛇口本体価格が相場です。
蛇口本体は大体10,000円〜15,000円です。
依頼する際の注意点
水道業者についてネットで実際に調べてみると、費用が具体的にいくらかかるのかわかりにくいサイトが多くて困るかもしれません。
ここでは料金体系のしくみや依頼する際に注意すべきことについて解説します。
水道業者の料金体系
水道業者の料金体系は以下の通りです。
基本料金+作業料金+出張料金+部品代+見積もり料金
このようにさまざまな項目があり、少々わかりづらいですよね。
水道業者のサイトを見ると、基本料金以外にかかる費用が不明瞭になっていることが多く、パッと目につく料金だけを鵜呑みにすると、予想外に高額な費用を請求されるケースも多いです。
以下は実際に合ったトラブルの例です。
・事前の説明なしに基本料金以外に、作業料金や出張料金を請求された。
・現地見積もりで断ったら出張料金や見積もり料金を請求された。
・事前の見積もりより高額に料金を請求された。
しかしこれは、業者側が故意に説明を怠った場合だけではなく、お客さんと水道業者との間の誤解によるものもあります。
このようなトラブルを防ぐためにも、水道業者に来てもらう前に必ず費用の総額を確認しましょう。
- 提示料金は総額か?(出張費なども含めた総額)
- 作業前に最終見積もりを提示してもらえるか?
- 現場見積もりの段階で断った場合、請求費用はあるのか?
事前にしっかり確認することで、料金トラブルを未然に防ぎましょう。
まとめ
いかがでしたか。蛇口の4つの異音のの原因と対処法について解説しました。
蛇口をひねる時、締める時に「キーン」「ヴ――ン」「キュイッ」「ドンッ」といった音がしたことはありませんか。
蛇口周辺から聞こえるこれらの異音は、水まわりトラブルが起きる前のサインとなるので、異音が聞こえはじめたら、すぐに対策をしましょう。
パッキンやカートリッジの交換だけであれば、自分でできることもあります。
しかしすでにトラブルが深刻な場合は、配管工事など有資格者しか工事できないようなこともあり、また賃貸の場合は管理会社に確認も必要です。
不安な時は自分だけで判断せず、水まわりのプロに実際に状況を説明し、異音を聞いてもらうなどして相談をしましょう。
出張見積もりも無料でおこなってくれる水道業者もあるので、まずは電話で相談してみることをおすすめします。
まずは無料相談!全国対応&水道局指定のおすすめ業者
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
※記事内で紹介した水道業者様は編集部が独自にリサーチを行い、料金や口コミ等、様々な情報を基に
順位付けをしております。